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純真メランコリー 81
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頬が緩む…。
もぅ、自分でも気持ち悪いくらいに顔に締まりがないのがわかる。
あぁ……なんて幸せ…。
「今、大事な話をしてるんだから、駄目ですってば!」
律基の張り上げる声とともに、マークと律基と西嶋が学生ホールに雪崩れ込んで来た。
それを見て、綾世の微笑みの表情が一瞬にして消えた。
あぁっ…!!
もっと、幸せの余韻に浸っていたかったのに!!!
恨めしい気持ちで出入り口へ視線を向ける。
マークは颯斗と目が合うと、にっこりと笑った。
「Hey,Hayato!I soon to be fine today.(やぁ、颯斗!今日は元気そうだね)」
「え~っと……」
「Be quiet! I cannot allow to insult him!(黙れよ!彼を侮辱するのは許せない!)」
颯斗の言葉を遮り、マークに向かって綾世が流暢な英語を発する。
その言葉に、その場の全員が驚いた表情で一瞬動きを止めた。
でも、颯斗はそのみんなの反応に驚いたのであって、綾世が発した英語の意味は解らなかった。
早くて、よく聞き取れん…。
ってか、なんでみんな普通に解んの!?
三人の驚きの視線が、颯斗を素通りして綾世に向けられたまま停止している。
颯斗も綾世を振り返る。
え………!?
えっ?! えぇ!!
綾世が険しい怒りの表情をしているのだ。
あ……前にもこんな顔………。
そうだ、以前綾世は同じような表情で、職員室のドアを殴りつけたことがあった。
「日本語ペラペラのくせに、颯斗に対してだけ英語で話すの止めて下さい!不愉快だ」
「え…?えぇ!!」
あ……もしかして!
あの時綾世が怒っていたのは、マークに対してだったのか?!
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