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純真メランコリー 82
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律基と西嶋が颯斗に駆け寄って来る。
「幹君。マークさんとずっと英語で話してたの?」
『話してた』ってか、正確には『話し掛けられてた』だけど……。
「は……はは。マークさん…日本語解るんだ……」
「う~ん…。解るっていうか、ヘタな日本人より上手いレベル」
「はぁ~!?まじでぇ~~…!!」
驚いて、視線をマークに向ける。
「いやぁ、ごめんね!ハヤトが英語で必死に返そうとするのが面白くってさ…。ついね!」
「ひっでぇ~~…」
『ついね!』じゃ、ない!!
「綾ちゃんがあんなに感情的になるの、びっくりしたよ!」
律基は大きな目を瞬かせている。
「川那辺……綾世さんの英語、訳して。頼む…!」
「え…?解んなかったの?!」
「うん……」
「でも、ずっと英語で話してたんでしょ?」
「うっ……。だから…ほとんど…ってか、何言ってんのか全然解ってなかったんだよ!」
呆れ顔を向けられてしまった。
けど、もぅ呆れられついでに縋ろう。
「だから、さっき綾世さんが何て言ったのか、教えてくれよ!」
両手を合わせ、お願いポーズで拝み倒す。
「あのね……」
「律!訳さなくていい」
拝み倒す颯斗に、『仕方がないなぁ』と言った表情で、律基が口を開こうとした声を綾世に遮られた。
「えぇ!なんでだよ!?」
颯斗が不満顔で綾世を振り返ると、冷ややか~な無表情を向けられた。
「自分で訳せるようにしっかり勉強しな。『ago』を『顎』なんて言ってるようじゃ、情けない…」
そして、小さく息を吐いた。
ああ…溜め息付かれた………ってか!
「…何でそれを知って……あぁ!マークさん、喋ったなっ!!」
颯斗の恨めしい視線に、マークはハンサムスマイルで爽やかに笑う。
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