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純真メランコリー 87
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「違うよ西嶋君!『バカ』ってのは合ってるから全く違うこともないけど、ニュアンス的に全然違うの!あのね…」
なんだよ、『バカ』は合ってんのかよ!?
二人は颯斗に背を向けコソコソと話し始める。
「川那辺、俺にも教えてくれよぉ~…」
律基の背中に向かって、情けなく訴えかけた。
「ごめぇん!幹君には教えるなって、綾ちゃんに言われちゃったからね…。自力で頑張って!」
苦笑いを返された。
「自力で…って、無理に決まってんだろぉが!!いいじゃん、ちょっとだけ…川那辺、俺の味方だろ?!」
Γあはっ、僕は綾ちゃんの味方でもあるからね!」
そう言って、それはそれは可愛らしい笑顔を向けられた。
けど…今はちっとも可愛らしく感じられない!
それどころか、むしろ憎たらしいぞ…。
「誰でもいいから教えてくれよぉ~!!!」
颯斗の叫びに合わせたように、予鈴が鳴る。
「さぁ、教室に戻ろう!ホームルームが始まる」
すっかりいつもの無表情に戻った綾世が、学生ホールからみんなを追い出した。
「マークさん、ちょっと急がないと間に合わないかも。走りましょう!」
「アイアイサー!」
え…?!
なにその返事…。
悪の手下キャラのセリフじゃないかよ!
それって、英語なのか?
それとも日本語か!?
まともな言葉をちゃんと話せよなっ!
思わず反感が顔に出る。
「じゃぁ、僕たちはお先に!」
綾世はそんな颯斗を見て、少し目を細めた。
そして、マークと一緒に本校舎へと小走りで向かって行ってしまった。
二人を見送りながら、律基が颯斗の表情を見て口を開く。
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