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純真メランコリー 95
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あっ……!!
学生ホールで、マークが日本語が解らないのだと思ってした話!
あの野郎…しゃべり過ぎだ………。
「お蔭で今日はこんなことになった……」
綾世は泥で汚れている足を軽く跳ね上げ、ベンチから立ち上がった。
泥濘とまではいかないけれど、綾世は濡れているグランドの端を歩き、部活動中の颯斗の所までやって来たのだった。
考えてみると、上履きでグランドに下りるなんて、普段の綾世では考えられない行動だ。
それって、やっぱり自分は綾世にとって特別な存在だって思ってもいいってこと…!?
だよなっ!!
うっしゃー!
テンション上がってきた―――っ!!!
「さぁ、僕もそろそろ行くよ。颯斗も、部活頑張れ!」
「おぉ!」
颯斗も勢いよくベンチから立ち上がる。
綾世の言動が、良くも悪くもすぐに影響してしまうほど、颯斗はやっぱり単純だった。
歩きはじめた綾世が、ふと振り返る。
「そうだ颯斗。放課後、学生ホールに行けなくなったから……」
「え…?そっか…わかった……」
一緒に過ごせる時間が無くなるのは、すっごく残念だ。
でも、綾世は生徒会とか…退寮の準備なんかもあるし、忙しいのだろう。
だったら、それは仕方がない…。
「だから……」
「え…?」
だから……??
「今日から…一緒に帰えらないか……?」
「えっ!はっ?!だって、寮…」
「…寮は今月中には引き払う予定だけど、毎日ちょっとずつ荷物を持ち帰って、僕自身は櫻木の家から通学することにした」
そっ、それじゃぁ!!
今日から、念願の『通学デート!』
「やったぁ!綾世と一緒に帰れるっ!!」
思わずガッツポーズで叫んだ颯斗に、綾世が目を瞬かせた。
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