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認める、ということ。ー綾世side-ー 8
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これで…颯斗との、関係が変わってしまうのか…?
友達としても、傍には居られなくなってしまう……?
それどころか、嫌われてしまったかも…。
絶望的な思いが頭に浮かんだ。
でも、発してしまった言葉は消すことなどは出来ず…。
どうにかしたくて、取り繕うために苦し紛れに口を開いた。
「だから、『ごめん!』と言った!」
颯斗は一瞬、驚いたような顔をしてから苦笑いを浮かべた。
「綾世、違うって…」
「解ってる。 颯斗と僕の『好き』は違うんだって…」
そんなふうに『違う』と念押しされなくても…、解っている……。
「えっ!? 違っ、だから違うっ!」
颯斗がひどく慌てている。
「あー…っと、俺が言いたいのは『…ごめん』って、なに?」
「……え?」
「なんで初めに謝ったんだよ?!」
すごく真面目に、真剣な顔を向けられた。
友達だと思っていた相手に冗談ではなく、キスをされ告白される。
そんなことは、不愉快以外の何ものでもないだろう…。
「……不快な思いをさせるから」
「えっ?」
「友達の僕から『好き』なんて言われて…気持ち悪いだろ……?」
颯斗はあんぐりと口を開け、そのまま頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
こんなにも、颯斗が思い悩んでいる…。
「………ごめん。本当にごめん、悪かった」
どう言葉を掛けたらいいのか、解らなかった。
ただ、謝罪の言葉を口にするしか……。
「う~~あー…もぅ―――ッ!!」
颯斗が叫んで立ち上がった。
「ちゃんと伝わってると思ってたのにっ!!」
「……颯斗?」
「あのさ。この前、綾世が俺にとって『特別』だって確認したよな!? 俺『好きだ』って、言ったよ?」
「うん。でも、それは“友達”として……」
渋い顔をして、颯斗が頭を掻きむしった。
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