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非日常
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貰ったお金で今日の分のパンを買いに行く。
「あの、…パンをください。」
ジロリと店主のおばさんがボクを睨む。
「チッ…また来たのかい、ほら!これ持って早く出ていきな!あんたみたいなサボダネイシャンがうちのとこにいつも来たんじゃ、ここも危なくなるだろ!」
パンを投げつけられる。
店のおばさんや他のお客からも疎ましい目でじっと見られる。
(狩りに巻き込まれたくないのは皆同じだよ…)
ボクだって好きで非能力者じゃないんだ。
「…あ、あの、お金、ここに置きます…ありがとうございました…」
早々と店を出る。
あんな目を向けられるのは慣れっこだ。
早く家に帰ろう。
「ただいま…」
まだ誰も帰っていない家に入る。
「兄さん、まだなのか…」
夕飯の準備をして待つことにした。
兄さんは口数が少ないけど愛情深くて責任感が強い。
両親はボクが物心つく前からいなくて、兄さんのおかげでここまで大きくなれた。非能力者で生きるのに足を引っ張っているけど、そんなボクをとても大事にしてくれている。
大好きな兄さんなんだ。
何時間経っても兄さんは帰ってこない。
(いつもなら帰るはずの時間なのに、おかしい…。)
…ガタンッ
ドアが開く。
「…おい、いるか?」
「あ、兄さん!お帰りなさい!遅かったね!!」
だが、兄さんのボクを見る目がボクを狩るような目だった。
「早く逃げるぞ!狩りが始まった!!今度はここのブロックだ!」
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