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想い 3
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「コースケー…元気ねぇな…」
「…まぁ…仕方ないよ…」
ジンとユウタ。
彼らとは中学校からの付き合いで、いつも連んでいる仲間。
そして、彼らもワンコが行方不明になったことを知っている。
でも、夏休み明けに顔を合わせた憔悴しきったコースケの姿を見ると、その話題には触れちゃいけないような気がして…みんな気を遣っていた。
「なー、帰りカラオケ寄ってかねーかって話してたんだけど、行かねぇ?」
「んー…行かねぇ…」
顔を上げたコースケは、ダルそうに返事を返すと、カバンを手に立ち上がる。
「まじ、行かねぇの?」
「うん…行かねー。帰るわ」
「俺もコースケと一緒に帰るよ…」
ジンとユウタは顔を見合わせ、少し困ったような表情をしている。
きっとコースケを元気づけようと、誘ってくれたんだ…。
「そっか…じゃぁ、また明日な!」
「おぅ…」
歩き出したコースケの後を、慌てて追いかける。
「ジン、ユウタ、バイバイ!」
俺は振り向き手を振る。
ふたりは黙って俺たちを見送った。
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