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想い 5
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大きな道路を一本挟んだ、駅前の交差点に立っていた。
あー…駅横のコンビニ…ここ来る時は、コースケといつもあそこに寄るんだよなー。
あそこのチキンがめっちゃ旨くて、コースケと半分こして食うんだけど、必ず骨の方俺に寄越すんだよ…。
俺が辛いの食えないの知ってて、時々わざと激辛チキン買うような意地悪するんだよ。コースケの奴!
「コースケと来たかったなー…」
「ウ゛ーワンワンワンワン!ウゥ゛ーワン!!」
「っうわ!」
突然、犬にけたたましく吠えられ、我に返る。
ボーッと、横断歩道の前に立ち尽くして居た。
「ご…ごめん!こらリクっ、吠えんな!!」
ビックリした……。
「こいつ…いつもはあんまり吠えないんだけど…あの…ごめんな」
「あ…いや……」
精悍な面構えの『リク』と呼ばれた秋田犬は、まだ低く唸り続けている。
そのリードを持つのは、制服は着ていないけど、高校生くらいに見える男子。
「え~っと…。もしかして…君、迷子になってる?」
「はぁ?」
「いや…さっきから、ずっとそこに突っ立てるから」
「あ…あぁ。ちょっと考え事してて…」
「なんか…すっごい悩んでる?」
「えっ!?」
「何回もため息吐いてたし…難しい顔してるし…」
なに…この人……。
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