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7ページ目ー闇ー
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「お兄ちゃん」
暴れた母を見ているお兄ちゃんに声をかけた。今声をかけないとお兄ちゃんがどっか行っちゃうんじゃないかと思ったから。
「いらない子だったんだね、やっぱり。」
泣くでも怒るでもなく、無表情で淡々と話すお兄ちゃんが少し怖くなった。
お兄ちゃんは嫌われてるって気づいていたのにあんなに母のことが好きだったのだから余計辛いはずなのに。
「これからどうなっちゃうのかなあ、僕達」
「わかんない。でも僕がお兄ちゃんだから陽を守るよ。」
“お兄ちゃんだから ”
この言葉が僕の胸に刺さった。お兄ちゃんはいつも優しい。僕を守ってくれる。だからこそお兄ちゃんが壊れるのは嫌だった。
でも、母に捨てられたお兄ちゃんは生きる希望を失ったかのように目に光が無く、目を離したら消えてしまいそうなほど暗かった。
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