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俺はこんなにも淡白な人間だったのだろうか。
淡白か情熱的かといわれたら前者であると確かに答える。
応える。
応えてきたつもりだった。
みんなの熱に。
吸収しすぎず反発しすぎず、
そこそこに自分があったまって、
それでいて冷めてる人がいたら与えられるぐらいのの熱を帯びて。
ガリガリと指の皮を剥く速度を速くしていく。
あともうちょっと。
けど違ったみたいだ。
ガリッ
じんわりと血が滲む。
「痛っ」
「なにやってんだ」
「え、ほんとそれな。めっちゃ痛い。何で剥いちゃったんだ。」
俺の指が、、鉄の匂いと赤みで染まってしまう。
はぁ、とため息をついた紳映(しんえい)に周りでごくり、と唾を飲む音が聞こえる。
それは決していまが昼食時だからではない。
空腹による俺の血が美味しそうに見えるとかそーゆーことじゃないのだ。
どれも羨望、色欲、憧憬に塗れたものばかりである。
橘高紳映(きったかしんえい)このクラスの大半のそれは彼一人のもの。
少し、目を流してみたり、ため息をついてみたり
ピアスだらけの耳をいじってみたりしてみろ。
すぐにさっきの現象が起こりかねない。
そしてその現象を見るたびに俺は思う。
「お前はマリリンモンローかって、、、。」
「は?」
「いや、なんでも、、ってなにしてんの。」
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