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世の中には知るべきこととそうでない事がある
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ちーちゃんと話してから
変に意識してしまってる自分がいた
今も……
いつものように
山根が軽く肩を叩いてきただけなのに
びくついてしまった
そんなつもりじゃなかったのに
そのまま近くにいたら
変になりそうで
思わず適当な理由をつけて
その場から逃げてしまった。
そんな俺の心情なんて
欠片も知らないあいつは
「え……」
勝手に嫌われたと思われて
軽くショックを受けていたらしい。
なぜわかるかって?
ホントはこっちが聞きたいくらいだわ
それもそのはず、なんと
こいつは俺が逃げ出した後
フリーズはしたものの、すぐに我に返るなり
後先考えずに追いかけてきたのだ
先にガンダしてたのに追いついてきて
人の腕を思いきり引いて肩をつかんだかと思えば
そのまま壁に押し付けてきた
なんつーバケモンだ…?
とまぁそんなわけで俺はこいつに
近距離でガンつけられてるわけで
どうしたらいいのかわからずに
チラリと視線だけをよこすと
俺をまっすぐに見つめる山根の真剣な顔つきに
何故か心臓がドクン、と大きく跳ねた
「お前さぁ……それわざとか?」
「は…?な、に、んっん!!!!」
大きくため息をついたと思ったら
急に押さえつけられた肩に力が入り
抗議の声をあげる間もなく口を貪られてしまう。
何が起きたのか一瞬わからなかったのに
与えられ続ける快楽に
現実に引き戻された。
ぬるりとした感触が口いっぱいに広がって
上顎をなぞられるたびに体が小さく跳ねるのが分かった。
(苦し……!)
暫く夢中になってしがみつくと
すんなりと離れていった
「ぁ…っ…」
「っ……~~!」
急にやめられたからか、何故か少しだけ
物寂しくなって
思わず引き留めてしまいそうだ
「…行くぞ」
「は?ちょっ、どこ」
先ほどと同じように大きなため息をついて
伸ばしかけていた腕をつかまれ
振り向かずに歩き始めた
なんなんだよ
てか俺、さっき…?
(こいつにキスされたってのに…)
気持ちよさに負けて
そのまま、もっとしてほしい…なんて
考えて…?
いやいやいやないない、ナシだわ。
ちーちゃんが変なこと言ってたし
こいつが、あんな…
(あんな泣きそうな顔なんてしたからだ)
きっと、そう
「おい」
「うぉっ!!!な、んだよ」
あっぶねー考えすぎだ
冷静になれ。落ち着け、落ち着け…。
「家とホテル、どっち?」
「…は?」
おちつ…けるか!!!!!!!
「早く答えねぇと今ここで犯すぞ」
(これは詰みだわ)
「家、で…オナシャス…」
どうやら俺は完全に
逃げるタイミングを失っちまったらしい
(どこで間違えたんだ…)
喧嘩なんか…するんじゃなかった
「じゃあ、俺んちすぐそこだから」
「お、おぅ」
「んだよ、ずいぶんと素直なんだな?」
「っ~~!!/////」
それまで振り向きもしなかったくせに
急にこっち向いて笑うから
心臓が壊れそうなくらい跳ねた。
俺…いつの間にこいつの事を…?
いつから…?
何でこんな最低な奴の事なんか
好きになんかなってんだよ…
そっか、俺こいつが好きなんか…
「ほら、ぐずぐずしてっと置いてくぞリンゴ姫?」
「うっせ!今行くっつの!」
あーぁ、気づきたくなかった
分かっちまったらもう
元には…
戻れない
知らないほうがいいことも
あるもんだな
小さく跳ね続けたままの胸を押さえて歩く
俺は山根に聞こえないように
無駄に広い背中に向かって呟く
「ばーか。クソザル」
握られた手に一瞬力が入った気がするけど
気のせい…だよな。
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