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俺らしさ
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誰も来ない理科室。
響くリップ音と濡れた吐息。
気づいたら俺はもう目の前にいた山根紘という
男にキスをしていた。
一回目のキスはコイツからで
不意打ちで…。
二回目の子のキスは何故か俺からで…。
でもキスをした瞬間謎の幸福感があった。
それは泣きそうになるくらい胸を締め付けてくるのに
気持ちいいと思えた。
何でしてるのかとか
男だからとか、
もうそんなのどうでもよかった
ただ無性にコイツの口を塞いでやりたくなっただけ。
それ以外の理由なんてない
「あかぎ…?」
「…」
キスをやめると苦しそうに息を整えながら
俺の顔色を窺っている。
ああああああああああああああああああ!!!!
今更だけどさ!
すごい後悔してる
感情的になってたとはいえ俺はいったい
何してるわけ!?
「俺、もう行くわ」
「え、ちょ、待って!なんでだよ!!」
この場にいるのがつらくて
逃げ出そうとする俺を引き留めようとしてくる山根。
「しつけーよ」
「いやいやいや、だから待ってってば!!」
ぐんっと俺の腕を引っ張り壁に押し付ける山根
「話、聞けって」
(いや、え、何この状況)
壁に押し付けられている俺は
世間でいう壁ドン状態なわけで…
当然動けるわけもなく
「お前、はさ…俺のこと…その、スキ…なわけ?」
少し震えたような声で
でもまっすぐなその目で見つめて
問いかけてきた。
「はぁ!?んなわけあるかよ!!」
そんなわけ…。
男同士でとかわけわかんねぇし…。
馬鹿じゃないの…?
「そっか…」
俺の答えに不満があるのか
少し寂し気に、だけどわかってたとでもいうように
こいつは笑った。
(なんつー面さげてんだよ)
ほんとみてらんない。
「とりあえずそれはいいとして…トップ、もらうけど…いい?」
にっこりと笑う山根。
「は!?何でそうなんの!?!?」
「で、どうなの?」
いやいや、いまそういう流れじゃなかったし。
そもそもさ
「まだ諦めてなかったのかよ!!」
「もちろん」
「いいかげん諦めやがれ!!」
「やだね」
「おまっ、~~っ!!マジでむかつくっ!!」
「だって長期戦になりそうだし」
「?」
(長期戦?なんのことを言ってるんだ?)
「まぁまぁ、これからもよろしくね?リンゴ姫♪」
「うっせぇ!!」
けらけらと楽しそうに笑うコイツに不覚にもドキッとした自分がいた。
少しづつ何かはもう始まってて
それはもう、動き出したら止まることのないものだった。
(あぁ、やっぱこいつうぜえ…)
夕日に照らされるその姿がきれいだったから
ついそんなことを思ってしまった。
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