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会いたくなかったヤツ
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校門をくぐれば登校してくる生徒たちにすれ違う。
この中にアイツもいるのかと考えてしまう
人間一度気にしたことは気になってしょうがない
「……」
「………」
「……よし」
ヤツはいなさそうだな
最終確認を廊下で済ませ、教室まで一気に駆け込む…
つもりだった
「おい…なーにが『よし』だ」
「ひっ…」
肩をつかまれた先をゆっくりと振り向けば
「おはよう、赤城クン?」
「あ、あは、はは…」
会いたくないやつナンバーワンにあってしまった俺は
きっと世界で一番不幸だ…。
「ちょっと、話があるんだけど?いいだろ?」
「いや…」
「ん?(来るよな?)」
「はい、行きます。(行きたくない)」
圧が、圧が半端ないっす…
(逃げればわんちゃんあるかも…)
視線をずらし、周囲の確認をする
(行けそう)
心の中で、勝利の笑みを浮かべる俺にいぶかし気な視線を送る山根
強行突破を試みた瞬間
さっきまでとは違う表情の山根は
俺の肩を離さないまま
「逃げられないからね?リンゴ姫?」
そう、低い声で俺の耳元で囁いた。
全身が震えるような感覚におぼれ、ゾクリとした。
(昨日から、俺…)
「さ、こっちに来て」
「…おう」
なんか
すげー、変だ…。
この感じはなんなんだ?
わかんねー
俺の知らない何かが
うるさく吠え付いてくる
(うるせぇよ)
どくどくと鳴り続ける鼓動に
アイツに聞こえてるかもしれないと不安がよぎる。
だから顔が赤くなるのなんて気にもとめなかった
踏み出すその一歩が小さく
俺に危険のサインを出してることにも
気づけなかった。
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