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真面目なんです、本当は
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「…なぁ」
「あー?」
「どこ行くわけ?」
「…秘密(ニコ)」
「~~っ」
こえぇ…!!
山根に連れられ歩き続けて十分。
たったの十分なのに、俺たちが歩く廊下は
いったいどこまで続いてるのだろうと
思うくらいに長く感じた。
ようやくたどり着いた場所は、昨日と同じ理科室。
やっぱりそこには誰もいなくて
結局二人きり、という
最悪な状況になった。
「あのさ、」
「!?ちょっ急に止まんじゃねぇ!!ぶっ殺すぞ!?」
山根が教室の真ん中のほうでぴたりと歩みを止めたせいで、
不本意だが、山根にぶつかった。
言った後で遅いけど、後悔した。
いつもの癖でぶっそーな言葉を飛ばしたが
コイツのことだ、何をしてくるかわかったもんじゃない
一瞬焦って冷や汗をかく。
ヤツの表情を窺ってみると、眉が少しピクリと動いただけで別に
何かけしかけてくるような感じではなかった。
「な、なんだよ…」
人のこと呼んどいてさっきから続きを話そうとしないで
俺を見てる山根に耐え切れなくなり
その沈黙を俺自身が破る。
「…お前、昨日何してたわけ?」
「はぁ??」
急に何を言い出すかと思えば、なんだ?
昨日俺が何をしてたか、だ!?
(ふざけてんのか?)
そう、疑いつつ確認したヤツの目はまっすぐで
そこに嘘なんてなかった。
「昨日は普通に飯食って、風呂入って寝たけど…」
「ほんとか?」
「あ、でも」
「なんだ!?」
ふと思い出したことを言おうとしたら
ありえないくらい必死に聞き返してきた。
(そんなにならなくてもよくねぇか?)
「昨日は寝る前におしゃべりナインみたあと、宿題したわ」
「ちっげーよ!!そういうことが聞きたいんじゃねーよ!!っていうかお前マジでヤンキーか!?ただのくそ真面目ヤローじゃねーか!?」
「…ちっ、うっせぇな…ほっとけっての」
「…他はないのか?」
「他ァ?ねーよ!つーか!なんでそんなん聞くんだよ!他ってなんだよ!いみわかんねー!」
「だから!男と会ってたとか!…あんだろ!?」
「はぁあ!?」
(こいつマジふざけんなよ!)
「何で俺がお前にそんなこと聞かれなきゃなんねーの!?そもそもなんで会うやつが女とかじゃなくて男なんだよ!?」
「いや、女の知り合いとかいなさそうだし…じゃあ女なのか!?」
「だぁああっ!!女じゃねーし!男にもあってねーよ!!つか知り合いいなさそうとか言うな!気にしてんだから!お前にはかんけーねぇだろ!」
「…から」
「あ?」
「あるからいってんだよ!」
「え、あんの…」
「お前に昨日番号渡したのに、連絡よこさねぇから…」
「はぁ!?」
「何で俺がそんなマメなことしなきゃなんねーの!?仲良しかよ!ありえねー!」
「お前のせいで徹夜なんだよ!!」
「…は?」
俺からの連絡を待ってて、オール??
はい??
つか、何…え?
連絡待って徹夜って、どっちが真面目だよ?
「なにしてんだよ…」
なんていうか色々言いたいけど
呆れてモノも言えねぇ…。
「つーか、そもそも俺ケータイ持ってねぇし」
「はぁん!?んだと!?」
昨日言い忘れたけど、付け加えればみるみる赤くなる山根
「何でいわねーの!?」
「言おうとしたけどすぐ帰ったのどっちだよ!?」
「あ」
「ふざけんなよ」
「それは…ごめん」
変な奴…。
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