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俺の目からは涙が溢れていた。それに気づいたキャプテンがそっと頭を撫でて、副キャプテンがタオルを渡してくれた。
あぁそうか。俺は自分の感情に蓋をして、気づかないように、傷つかないようにして、諦めていたんだと。
泣き声が止んで、少しした時に、カーテンの中から彼のお兄さんが出てきた。彼は泣き疲れて寝ていた。彼のお兄さんはこちらに「うるさかったですよね。すみません。」と謝ってそのまま病室の外に出ていってしまった。
俺は涙を止めることが出来なかった。今まで弱音をキャプテンや副キャプテンの前で言ったことはなかった。怪我をした直後も笑って、残念だけどこれからマネージャーとして頑張りたいです!と言えたくらいだ。だけど俺は気づいていなかっただけだった。いや気づかない振りをしていただけだった。
「キャプテン、俺、おれ、ほんとは選手として復帰したいです。俺、前みたいに皆とプレイしてゴール決めたい。俺、おれ、、」
隠していた、忘れさせていた感情が湧き水のように溢れてきた。キャプテンと副キャプテンは黙って肩さすってくれていた。
俺が泣き止んだ後、病室の外に出ていった彼のお兄さんが帰ってきて、気まずそうに俺に、濡れて冷えたタオルを「良かったらこれ、、」と渡してくれた。俺は少し恥ずかしかったが、「ありがとうございます。」とそのタオルを貰った。
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