アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
36
-
らしくなく、カチンときた。
だいたい今日は記念日なのだ。
邪魔されて迷惑被ってるいるのは、俺たちの方だ!
スゥッと息を吸い込んで、相手に分かるように冷たく言い放った。
「なるほど。財津様は、わたしがそんな事をすると、思われたのですね。」
『違うのかい?現に大吾が側にいると言う。大吾に抜け出せる訳がない。』
ふたりとも頭に血が上った。
風見はブチリと通話を切ると、笑顔で皆に言った。
「みんなで、忍者屋敷に行くぞ!」
------------※ ※ ※------------
「ね、暁さん。大丈夫なの?」
「大丈夫!とにかく時間が無いから着いてから話そう!」
タイムリミットの15分を迎えた。
アイスコーヒーをグッと一気飲みした風見は、大吾の頭を撫でた。
「光太郎くんへは、西口じゃなくて直接忍者屋敷に来るように言って。」
「分かった。」
ポチポチとメッセージを入力しだした小夜を見ながら、風見はムカムカする気持ちを押さえつけた。
こうなったら、せっかく新宿駅まで冒険した大吾くんと遊んでやれと思ったのだ。
「大吾くん、忍者って知ってる?」
「しってる!シュッ!シュッ!」
手裏剣の動きをして、笑っている。
「美湖ちゃん、大吾くんも一緒に忍者に連れて行っても良い?」
「うん!にんにんするー!」
よし。
小夜の持っていた紙袋の中に地球儀を放り込んだ。
着替えれないままの着替え一式が悲しいが、仕方がない。
ちょうど入力し終えた小夜が立ち上がったのを見計らって、美湖ちゃんを肩に乗せた。
「キャハハ!」
うん、美湖ちゃんの方が重い。
小夜も大吾くんを肩に乗せた。
荷物を引っ掴んで、頷き合った。
さあ、忍者屋敷へ。
「出発!」
「「しんこー!」」
猛ダッシュが始まった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 343