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銭湯からのんびり、賑わっている界隈へと足を向けた。
新宿はゴールデン街や、がちゃがちゃとした飲み屋、観光客向けの施設があったかと思えば、ほんのすぐ近くに学校や大きな病院があって、通りを挟んだだけなのにオフィス街がひろがったりと、なかなか楽しい街だ。
現に庶民的な銭湯があちこちにあるし、ほんの少し足を伸ばせば自然豊かな公園があったりする。
東京の二面性。
都会なのに、庶民的。
冷たくて温かい街は、俺に合った。
そういや、この辺に面白い居酒屋が出来てたな。
戦国武将をモチーフにした居酒屋があったはずだ。
拓篤の部屋の本棚に、戦国時代の小説が並んでいたのを思い出した。
今度、予約して連れて行ってやるかな。
そう思いながら、ぶらぶら歩いていると、よく知った背中が見えた。
お?!
智樹が歩いていたのだ。
「・・・よう!」
「わ!びっくりした!!」
アホの鈴谷と付き合うようになって、顔の表情が柔らかくなった智樹は、兄としても可愛い。
ガタイは俺よりあるが、奏太の中では、小さい頃のままだった。
「ちょうど店に行こうとしてたんだ。」
「ふふ、奏にぃ、お風呂行ってたの?」
「ん。」
普段見かけない界隈にいる理由を聞くと、智樹らしい理由で奏太は笑った。
「道案内か。」
「そう。ちょうどそこのお店に連れてきたのよ。」
振り返って見てみると忍者屋敷としてある。
「へぇ・・・。」
戦国武将が好きなら、忍者も好きかな?
服部半蔵っていつの時代の忍者だっけ。
「ちー、10分付き合ってくれ。」
「ええ?!」
下見を兼ねて、智樹の腕を掴んだ奏太だった。
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