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今日は忙しかった。
まず、篠崎司法書士事務所に行って、次に風見さんの会社に行って石田さんと敦さんにお礼を言いに行った。
そのあと、冴子さんに会いに行って、出先から捕まえた加藤さんにお礼を言った。
篠崎のおばさん家にも行って、家に帰り着いた時にはクタクタだった。
「ふは〜っ。・・・美湖ちゃんところ、行かなきゃ。」
飛びっきりのお菓子を買ってきた。
快気祝いならぬ、無実祝いだ。
そんなわけで、桜井さん家にお菓子を渡してから、小夜は風見の胸に飛び込んだ。
「小夜、あと2軒分は誰の?」
「えっとね。」
あと2軒、挨拶しに行かなければならない。
1軒は弁護士先生のところ。
もう1軒は、茜ちゃんのところだ。
被害届を取り下げてくれたお母さんに、きちんとお礼を言いたいと思っていた。
「本当、小夜って・・・。」
「ん?」
見上げると、風見さんが困った様に笑っていた。
「お人好しだよね。」
「?」
風見的には、茜ちゃんのお母さんが原因の痴漢事件だと思っている。もちろん、気安く小夜が肩に手を掛けたのは、悪い。
だが、彼女の勘違いのせいで、大変な目にあったのだ。
・・・なのに、この子は。
ギュッと抱きしめた。
この、危ういお人好しさんは、多分一生治らない。
そこが小夜の良い面だし、その気持ちを俺が折る訳にはいかないと思う。
でも俺が当事者なら、こうやってお菓子を持っていく気にはならない。
無実は当然だと思って、少なくとも茜ちゃんのお母さんには連絡しないだろう。
全くもう、このお人好しめ。
「小夜、世の中にはいっぱい怖い人がいるんだから、気を付けないとダメだよ。」
「ふふ、子どもみたい。」
そう、気分は子どもへの言い聞かせだ。
「知らない人について行ってはいけません。」
そう言うと、小夜は吹き出した。
「ブハッ!第一号がここに居るのに?」
「あ。」
ああ、そうだった。
無理矢理オムライスを食べに連れて行ったのは、俺だ。
「あー・・・。特例はある。」
「ふふ、特例ね?」
弁護士さんのところへ行くのは、来週、篠崎さんと一緒に行くことになっている。
茜ちゃんのところへは、明日、行けばいいだろう。
「てことで、小夜。」
「はい、先輩。」
「お、その響き良いね。」
裸にむしった。
「ええ?!」
「プレゼントがあるから、お風呂行こう!お風呂!」
「ええー?!やだやだやだやだ!絶対動けなくなるやつでしょ?!」
パンツを膝で押さえながら、小夜が叫んだ。
「おおー!正解!!」
「ええー?!」
「はい、行く!はい、入る!はい、はい、はい!」
「えーーーー?!」
嫌がるお口を塞いだ。
とろんとなる目が可愛らしい。
「ね?今日はフライデーナイトだよ?記念日重なっちゃったし、俺、頑張っちゃうから!」
「もう!・・・ほどほどにね?」
小夜は知らない。
お風呂から出たら、また服を着せられる事を。
小夜は知らない。
セクシーな、くノ一衣装が待っている事を。
小夜は知らない。
しかも、紐パン付きだという事を。
「じゃあ、先に入ってるね?」
「ん。準備しておくよ。」
ほら、楽しいフライデーナイトの始まりです。
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