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あ・・・、キス、されちゃう?
期待、願望。
ただの勘違い。
それでも近付いてくる唇から目が離せない。
トオルさんの薄く開いた唇が、キスを予感させてならない。
息が、できない。
首の後ろに当てられた手に力が入ったその時、
「ゴホン!!」
!!!
びくりと肩が揺れた。
トオルは、舌打ちが出そうになった。
・・・そうだった、スタッフが角に居たんだった。
首に添えていた手をすっと滑らせて貴志の頬に触れた。
「寒くない?」
こくこくと頷く貴志に微笑みかけた。
「ここ見終わったら、甘いもの食べに行こう?」
「うん。」
繋ぎっぱなしの手が、熱い。
でも、これを離してしまうと二度と繋げなくなりそうな気がして、臆病かもしれないけれど、簡単に離せなかった。
手を引っ張る。
振り払われないのは、好意の顕われだと思いたい。
貴志も好きでいてくれるのだろうか。
この子も、男性を受け入れることが出来るのだろうか。
ため息から始まった出会い。
ふたりの不思議な出会いは、どう発展していくことが出来るだろうか。
もし。
もし、貴志が好きで居てくれるなら。
今度こそ、体だけの関係じゃない恋人が出来るかもしれない。
気持ちを確かめたいと思った。
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