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案の定、美湖ちゃんと茜ちゃんは仲良くなった。
多分、桜井さんにその事を話したら喜んでくれそうな気がした。
勝手な、本当に勝手な話だが、子どもを通じて、茜ちゃんのお母さんと美湖ちゃんのお母さんである桜井さんが仲良くなってくれたら良いなと思っている。
やっぱり、同じ女性の目線で話し合えるお友だちがいると強くなれると思うのだ。
小夜自身が強くなれたように。
「これ、おいしい!」
普段、食卓に出ないお刺身を、茜ちゃんも美湖ちゃんもモリモリ食べた。
食育って、やっぱり大切だと思った。
別に贅沢しなくても良い。
食べ物には命があって、その命を頂いていることを教えることができたらいいな。
「これとこれって、お魚さんなんだよ。」
お刺身と、すり身揚げ。
形は変わっても同じお魚だ。
「これは?」
「こっちはお肉だよ。ブタさん。」
「これは?」
「これは、枝豆だから、お野菜でいいのかな。これと、これは同じお豆さんから出来てるよ。」
お豆腐と枝豆。
同じ大豆だ。
茜ちゃんのお母さんは、美湖ちゃんと茜ちゃんを優しく見守っている。
「おいしい!」
子どもたちの美味しいという声に、将大さんも女将さんも目が溶けそうなくらい細めて笑っている。
風見さんもその様子を見て、とても嬉しげだ。
「あかねちゃん、これすき?」
大人たちは子どもたちを見守りながら、ゆっくりと食事を摂った。
と、
「らっしゃい!・・・おや、可愛いお客様だ。」
将大さんの声に、チラリと入り口を覗いた。
「あれ、晋作くんも一緒?」
晋作くんと真由ちゃんがお店の入り口に立っていた。
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