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その告白は、トオルの胸をキュンとさせた。
「貴志・・・。」
「トオルさんが、好き。」
悠と呼ばれた男は(記憶では、たこ焼きバーの人だ)がっくりと膝を折った。
腕の中の貴志は、ギュッと俺の背中に手を回した。
「ありがとう、大切にする。」
肩に顎を乗せながら、隙間が無いくらいしっかりと抱き合った。
・・・わぁぁぁ!!
抱き合ったふたりを見た小夜と茜ちゃんのお母さんは、大きく目を開いて顔を見合わせた。
・・・やった!
・・・やりましたね!
・・・何か嬉しい!
・・・分かります、幸せのお裾分けですね!
興奮した。
貴志さんが、藤沢さんとカップルになったのだ。
しかも、めちゃくちゃ幸せそうで、小夜のボルテージは一気に上がった。
子どもたちの目を塞いでいるから出来ないが、本当は風見さん、茜ちゃんのお母さんと喜びに手を握り合いたかったくらいなのだ。
一方、風見は焦っていた。
背後の様子は見えない。
見えないが良い雰囲気だと思う。
そして、俺なら、ディープキスのひとつやふたつ、ぶちかますくらいの雰囲気だと判断していた。
ヤバイ!
ちびたちに、流石にリップ音やら濡れたクチュクチュ音なんて聞かせられない!!
「さ、小夜ッ!」
「なに?」
「どどどどど、」
「ど?」
ごくんと唾を飲み込んだ。
そして、風見の悲惨な音程のどんぐりコロコロが店内に響き渡ったのだった。
えぇ?!
嘘でしょ?!
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