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長崎は台風前特有の、びっくりするくらいのお天気だった。
その代わり、時折強い風が吹いていて、高速道路の吹き流しが真横にたなびいていた。
「暑いね。」
「ん、そうだね。けど、明日からは警戒しなきゃだな。」
一度、長崎の営業所に顔を出すと言って、風見さんと長崎駅前で一旦別れた。
おれは、駅ビルの中にあるスーパーで、断水・停電でも大丈夫なようにある程度食材を買い込んだ。
多分、おれの予想では、母さんはレトルトのカレーとインスタント麺しか用意してないはずなのだ。
カレーには米がいる。
インスタント麺には、水がいるのだ。
レトルトのお米と、水のペットボトル。
パンに、常温で保管が出来るパウチに入った茹で野菜、その他もろもろを買って用意した。
古い家だから、屋根が飛ぶ可能性もある。
ある程度、荷物は担いで避難することも視野に入れて、大きめのリュックも持ってきていた。
・・・後は、何がいるかな?
懐中電灯もあったし、冬じゃないから毛布は要らない。
うーん・・・あ!電池!
買い忘れている可能性大だよね。
母さんには、いざという時リストを渡しておかないと。
結構な荷物になった。
風見さん、お仕事大丈夫かな?
先に家に帰っていた方が良いかもしれない。
そう思いながら携帯を確認すると、『終わった。』と連絡が入っていた。
ピロン。
『お待たせ!おれも買い物終わったよ。』
『そっち行くね。』
ふたりで荷物を分け合って持った。
「タクシー乗る?」
「そうだね、そうしよう。」
湿気が多い。
吹き出す汗を拭いながら、並んでいるタクシーに乗り込んだ。
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