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超パニック!
鈴谷はだらだらと吹き出した汗を慌ててハンカチで拭った。
「どうぞ、鈴谷さん。」
「ひゃい!」
代表取締役社長様は、意外にも若かった。
多分、風見さんと変わらないくらいの年齢の人で、ほっそりとしたインテリ系の感じだ。
着崩したカジュアルな服が、妙に似合う。
そして、細いフレームのメガネがしっくりきた。
応接室に案内された鈴谷は、社長の若々しさに見はまった。
「代表をしております、飯島陸都(いいじまりくと)と申します。」
あぁ!!
鈴谷は、慌てて名刺入れから名刺を取り出した。
「らららライムビジネスソリューションの鈴谷と申します!」
勢いよく頭を下げた瞬間、頭の重さでバランスを崩した。
「・・・おおっと。」
体を受け止められた。
ひぃぃい!!!
「ご、ごめんなさい!!」
慌てて仰反ると、飯島の顎に鈴谷の頭がヒットした。
「うわぁ!」
「!!!」
ふたりとも応接室の床にしゃがんだ。
「・・・きゃ!!」
コーヒーを運んで来てくれた女性は、びっくりして悲鳴を上げた。
「ごごご、ごめんなさい!!」
痛む頭を押さえながら、慌ててしゃがんだ社長に駆け寄ると、飯島社長は涙目で笑ってくれた。
「大丈夫、ちょっと落ち着いて椅子に座ろうか?」
「は、はい!!」
事前に練習してきた内容は、綺麗さっぱり飛んでしまった。
「あ、あの、えっとですね。」
「ん?」
「い、飯島社長って、お若いんですね!」
ポカンとした後、飯島さんは笑ってくれた。
「それは嬉しいと思う経営者と、嫌がる経営者がいるから使っちゃいけない言葉だよ。」
「ええ?!」
目をぱちくりさせた。
「何故ですか?」
飯島さんは、威厳が無いと言っているようにも聞こえると説明してくれた。
「・・・思っても、みませんでした。」
「だろうね、君は裏表のある人じゃない気がするからね。」
そこから雑談になった。
飯島さんの話は面白くて、仕事を忘れて会話を楽しんだ。
「・・・そういえば、さっき馬の耳に念仏って唱えてたけど、どういう意味?」
・・・え?
鈴谷は、茫然として飯島を見つめた。
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