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158 2019年8月21日
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「え、盲腸?」
『はい、しばらく入院する事になりそうです。お知らせくださってありがとうございました。』
翌日、悠の会社の佐藤さんという女性からお礼の電話があった。
・・・盲腸だったんだ。
貴志はホッと息をついた。
盲腸であれば適切な処置で元気になれる。
無事で良かった。
ホッと息をついた貴志とは反対に、入院中の悠は怒り狂っていた。
「何でお前がここにいるんだよ!」
しっかりお腹を切られ、おしっこの管が入れられた悠はベッドの住人だ。
その隣で梨を剥いているのは、律だった。
「だってオーナーが見てこいって言うからさ。」
飯島が鈴谷を見て思い出したのは、馬野律太郎(うまの りつたろう)の事だった。
「鈴谷くん、感謝するよ!忙しいから、今日は帰ってくれ。」
ポイっと追い出された鈴谷は、呆然と締まる扉を見つめたのた。
そんな訳で、オーナーである社長の飯島からの連絡で慌てて悠の部屋に向かった律は、一階に住む大家を連れて扉を開けた。
「汚ねぇお前を抱いて降りたんだぜ?」
「そりゃ悪かったな!・・・ってぇ!!」
痛みに苦しむ悠の姿を見ながら、律は剥いた梨を目の前で食べてやった。
「調子悪いなら、先に救急車呼べ。アホ。」
「うっさい!律のボケッ!」
律の目が細くなった。
「へぇ、命の恩人にそんな事を言う訳?お前、本当、可愛くなくなったね。」
「可愛くなくて結構!」
実際、かなり危ない状況だったらしい。
通常の手術よりも、長い時間がかかった。
結果、言い渡された入院期間も、10日以上の見込みらしい。
「・・・店は?」
「一応開けるそうだ。近くの店舗同士ヘルプし合えばどうにかなるし、オーナーもホールに立つって言ってるしな。」
それはそれで、恐怖だ。
絶対!バイトが食われる。男も女も見境なしなのだ。
「まあ、控えんじゃないの?」
「どうだろ。」
病室がノックされた。
「はい。」
「こんにちはー。」
入ってきたのは、chizooooのママとタカ、そして見たことの無い男性だった。
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