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ね、寝るって、あの寝る?!
「じょ、冗談じゃありません!!」
小夜は、キッパリと言い切った。
逆に悠は、冗談に済ませるな!という意味に捉えた。
ここで、両者すれ違いが発生した。
そうか。
この子、俺に本気なんだ。と悠は納得した。
小夜は小夜で、気持ち悪い!と憤慨した。
真っ赤になった小夜を見て、悠は、また遊んでも良いなと前向きに思った。
だって、こんなに身も心も傷ついているのに、タカは被せるようにして俺の気持ちは受け入れられないと言ったのだ。
失恋を癒すには、快楽に逃げるしかない。
悠の経験上、このクソ律に捨てられた傷を癒したのはセックスの快感と、仕事に没頭する事のふたつだった。
「ね、連絡先登録しとくから、名前教えて。」
ぷんぷんしながらも、人の良い小夜は素直に答えた。
「杉です。」
「杉って、木の杉?」
他に何があると言うんだろう?
小夜は、こくんと頷いた。
「じゃあ・・・、キミちゃんって呼んでもいい?」
意味が分からず、貴志と顔を見合わせた。
「・・・悠。この子、大切な子だから、変なチョッカイださないでね。」
危険を察知した智樹は、しっかり釘を刺した。
「大丈夫、大丈夫。俺、病人だから。」
悠は、平気なフリをしてうそぶくしか身を守る術がないのだ。切ったばかりの傷は痛むし、本当はベッドにしがみついて泣きたいくらい心が辛くて仕方がないけれど。
・・・何の因果で、俺を振ったヤツらが揃うんだよ!
無理するしかないのだ。
でないと、気を緩めると泣きそうになる。
絶対に弱みを見せたくなかった。
「・・・あの、何でキミちゃんなんですか?」
杉と名乗った、なんとなくタカに雰囲気が似ている子が尋ねた。
「だって、杉でしょ。木にカタカナのミじゃん。」
ほー。
その場の全員が唸った。
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