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ええ?!
貴志はママに抱え上げられた。
正確には、すずくんが首根っこを掴み上げられ、俺は腰に手を回され俵状に抱えられた。
すずくんはそれでも俺の首を離さずに、
「ぃでででででででで!!!」
整骨院真っ青に、俺は首の牽引がなされた。
(危険なので真似をしないでください)
「と、智樹さん!命令だから!」
「ダメ!浮気しちゃ!!」
ええ?!
貴志の頭は真っ白になった。
・・・いま、浮気禁止って言ったよね?
ママは、小夜くんと浮気してるくせに?!
「嘘でしょー?!」
「タカは黙ってて!」
叱られた。
「鈴谷!捕獲はどうした?!」
「や、やってます!!」
風見さんの捕獲の意味が分からない!
分からないけど、分からないけど!
「お、俺は風見さんの味方です!!」
貴志はしっかりと、応援する気持ちは伝えた。
一方、小夜は、ようやく突き飛ばされたショックから立ち直った。
貴志さんの言う「ダメ!」の意味が分からない。
だけど、風見さんを応援すると言っていた。
なら、きっと突き飛ばしたのは何かの間違いで、きっと勝手に自分で転んだんだと言い聞かせた。
・・・じゃないと、おかしいよね?!
とにかく落ち着かなきゃ。
小夜は、むくりと床から起き上がると、近くに落ちていたナイフを拾った。
危ないので、とりあえずゴミ箱に入れておこうと思ったのだ。
「先生!ダメーーーー!!!!」
!!!
いきなり背後から小夜は突き飛ばされた。
小夜の手から果物ナイフは飛んでいき、また床を滑ってクルクルと回転した。
床に這いつくばった小夜は、背中に乗る人物を振り返って確認した。
「・・・え?嘘。・・・し、晋作くん?」
※番外編 忍び寄る手。参照。
そう、小夜の背中には晋作が馬乗りで座っていた。
・・・病室の扉が、遅れて静かにパタンと閉じた。
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