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「じゃあ、走ることからやってみたら?」
「は、走るのは得意です!!」
しゃちこばって言うと、もぐらの店長さん、略してもぐらさんは笑ってくれた。
「じゃあ、走ってみて。」
という訳で、現在ランニングマシンの上で走っている。
「へぇ・・・フォームは綺麗なんだな。」
「り、・・・っくじょう、・・・ぶ!」
ひぃ、ひぃ、ひぃっ。
陸上部は、間違いない。
ただ、長距離の選手ではなかった。
相当、危ない。
なんと言っても、ブランクがあるのだ。
基礎体力はあっても、持久力は継続的な運動をしなければ消えてしまう。
しかも昨日の夜は、智樹さんからこってりしっぽり躾を受けた。
平日だからと入れられちゃうことはなかったけれど、逆にネチネチと虐め倒されて、実は疲労困ぱいのヘロヘロだった。
「そういや、名前って何て言うの?」
酸欠でぼんやりする頭の中で、名刺を持ってこなかったことに気付いた。
「め、めーしっ!!・・・けほっ。」
・・・律は、一瞬ぽかんとした。
めーし?
「メイシ?」
「・・・はぃっ!」
目の前の彼は、ぶんぶんと首を縦に振った。
「後でっ・・・。」
ああ、やっと意味がわかった。
後でメシを食いながら自己紹介したいってことか。
合点がいった。
「いいよ。てか、そろそろ店に行かないとだから、一緒くる?」
鈴谷は、開店前のもぐらに誘われることになった。
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