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ベルトを忘れた、だとぉ?!
智樹の目が据わった。
日常生活において、スーツのベルトを外す機会はあるだろうか。
いや、無い。
無言で店を出て、看板の電気を引っこ抜いた。
店に戻って、無言で扉の鍵を締めた。
「・・・すず、どうしたのかしら?出てらっしゃい。」
トイレの前で猫撫で声を出して、浮気容疑のかかったすずを呼んだ。
「智樹さん、ベルト忘れちゃった。」
困った顔をして出てきたすずに、にっこりと微笑んだ。
「あら、大変ね。」
すずの胸ぐらを引っ掴んだ。
ふんわりと漂った知らない石鹸の匂いに、智樹の頭の奥でプツンと何かが切れる音がした。
「ど・こ・に、忘れちゃったのかしら?」
宙に浮いたすずは、死人のように青ざめたのだった。
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