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その歪みはなんでしょう
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「もういい、離せ」
そう言って翔吾の支えてくれている腕を跳ね除けようとしたが、翔吾はグッと力を入れて俺を掴んだ。
「大丈夫じゃないでしょ、疲れてるんだから。大人しく支えられてなよ」
そう言って俺は支えられた形のまま風呂に連れていかれた。
風呂に着いて、入ってみると、急に翔吾のことを意識し始めてしまった。先程まであんないやらしい行為をしていても、幼なじみ2人で風呂に入るのはいつぶりか分からず、恥ずかしくなってしまった。
浴槽に入ると、青年男子2人にはキツい大きさで、同じ方向を向いて、俺が翔吾の前に座る、という形に落ち着いた。少し動くと翔吾のペニスが湯船の中で俺の尻に当たってしまい、ドキッとしてしまう。俺は先程の行為を思い出して下を向いて沈黙した。
「悠ちゃん?どうしたの?眠い?」
後ろから俺の様子を伺うように首をぐいっと前に出して俺の表情を覗き込んできた。翔吾はあまり意識していないようだったので、こんなに恥ずかしがっている自分が馬鹿らしくなって少しムキになった。
「…なんでもない」
「そっか、ならいいけど」
ピチャン、ピチャン、とどこからか水が滴る音が聞こえる。音の響くこの部屋で、沈黙が支配していた。しばらくして翔吾が後ろから俺に突然抱きついてきた。ぐっと距離が近くなり、先程よりもしっかり翔吾のペニスが俺の尻に当たり、背中には彼の硬い胸板が触れた。
「悠ちゃん、俺…幸せだ」
俺は何も言わずに翔吾の言葉を聞く。翔吾は俺の首筋に優しくキスをした。
「俺…悠ちゃんのこと、好き。これからも一緒にいていいかな…」
後ろを少し伺うと、自信無さげな子犬のような目をした翔吾の姿がそこにはあった。俺は眉毛を少し下げて困った表情を浮かべてしまった。何に困ったと言うと、あんなにひどい行為をされたにも関わらずもう既に許し、更には翔吾に緊張感を持ってしまっている自分がいることだった。普通であればここで憤慨して、「ふざけるな」と叫び散らしてもおかしくないはずなのに。俺は幼なじみに甘い部分があるのかもしれない。
「ふんっ、好きにしろ」
そう吐き捨てて、翔吾の腕の中に収まったままでいた。
「ありがとう、悠ちゃん」
そう言った翔吾の表情は見えなくとも、長年の付き合いから、その声音で翔吾が嬉しそうな表情を浮かべていることは明らかだった。
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