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ペアリング。【3】
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「……」
「あ、月島……。」
「赤葦、さんと……木兎さ、ん……。」
2人とも目が腫れて、少しやつれていた。
「月島……大丈夫か……?」
「……はい。でも、実感はない、です。
信じたくない、というか……。」
「そうか……。」
「そう言えば、黒尾さんは交通事故、で、その……死んだんですよね……?なら……その運転手はどうなったんですか……??」
「……運転手は即死だったらしい。」
即死。運転手“は”。じゃあ……
「……黒尾さん、は……??」
「っ、……すぐには死ななかったそうだ。
撥ねられて……何か言った後……しん、だ。」
「……は??」
僕は赤葦さんから『黒尾さんが死んだ』と言われた日の夜
、僕は運転手が憎くて憎くてしょうがなかった。
僕の手で殺してやりたかった。
刑務所に入っているのなら面談を申し入れて
殴らないと気が済まない。
嫌、殴った所で気は済むわけがない。
黒尾さんを返してくれないと気は済まないだろう。
でも、なにか一言は言いたかった。
『お前のせいで僕は世界一大事な人を、大好きな人を、愛する人を失ったんだぞ』と。
その一言でもいいから伝えたかった。
でもその運転手は即死だ。まず僕が思ったのは
『運転手はあの世に逃げた。』という事だ。苦しまずに。
「……その運転手は、逃げたんですよね……。あの世に。黒尾さんを殺しておきながら。誰にも責められず、
反省もせず、そして 苦しまずにあの世へ。」
「……そう、だね。」
「……どうして……なんでっ……!!なんで!?
あいつのせいで黒尾さんは死んだのに……!!!なんで逃げるんだよ……!!ふざけんなよ……!!なんで運転手は楽に死ねたんだよ!!黒尾さんは……苦しかったのに……苦しかったはずなのに……!!!ふざけんな……!!」
「つ、月島落ち着いて……!!」
「黒尾さんは苦しかったのにっ……!!!
苦しかったはずなのにっ……!!!!
運転手は僕の手で殺してやりたかた……!!!
『黒尾さんも苦しかったんだぞ』って……!!それで……それでっ……!!!」
「月島!!」
「っ、!?」
木兎さんが叫んだ。顔を見ると木兎さんはまた泣いていた。赤葦さんもだった。
「ツッキーあのな……俺だって運転手を殺してやりたい。俺の手で。許せないし 許したくもない……。ぶん殴ってもやりたい……!!そうだよ、運転手は逃げたんだよっ……!!でもな、ツッキー……そんなっ……苦しそうな顔、するなよ……黒尾が、悲しむ、からっ……!!」
「くろ、お、さん、が……??」
「そうだ……黒尾はな……ツッキーの笑顔が大好きだって俺に教えてくれたんだよ。だから……ツッキー……苦しそうに、しないで……っ……」
「……月島。俺もね、そいつを殺してやりたい。
憎くて憎くてしょうがないよ。木兎さんがもう言ったけど 黒尾さんは月島の笑顔が大好きなんだよ。だから……送る時は……黒尾さんの大好きな月島の笑顔、で……送ってあげない……っ……??」
「っ、……は、いっ……」
「うん……送りに……行こう……。」
「おうっ……!!」
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