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「これからお前達を寮に連れて行く。言っておくが間違っても逃げ出そうなんて考えるなよ?一歩でも施設を出た時点で、お前達の頭は監視塔の狙撃手の弾の餌食になる。
死にたくなけりゃあ、大人しく訓練を受けろ。
それでは名前を呼ばれた順に此方へ来い。寮へ案内する。
アーロン・ベネット、カルロ・テイラー………」
一組につき二、三人程度の人数が呼ばれ、それぞれ迷彩服を着込んだ男達に連れていかれる。
恐らくは、同室者同士が一緒に連れて行かれるのだろう。
「ロメオ・エルガー!此方へ来い。」
とうとう名前が呼ばれ、ロメオはトーマスの方へ歩いて行った。
「エルガー、返事はどうした?」
「今、酷い風邪をひいていて、大きな声を出せないんです。」
彼は困った様に微笑んで真っ赤な嘘を言う。
銃を装備している相手へのささやかな抵抗だった。
「………まあ、仕様がないか……」
作り笑いは彼の十八番なのだ。
そしてどうやらトーマスはこの笑顔が気に入った様だった。
(くそったれ、motherfucker。)
顔には笑みを貼り付けて胸の中では悪態をつく。
我ながら良い性格をしているとロメオは思う。
どんな奴が同室に成るのかとバスを振り返る。
その間、張りぼての笑顔を顔に貼り付けて置くのに随分と苦労した。
少しでも気を抜こうものなら化けの皮が剥がれ、呆れた目でトーマスを見遣る素顔を晒してしまいそうだった。
しかしトーマスは
「お前は一人で行け。」
と言い、彼は一人のまま連行された。
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