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「あの、教官?俺のルームメイトは………。」
「既に部屋にいる。お前の同室者は2年前に此処に来ている。詳しい事は彼に聞くといい。」
「ありがとうございます。」
愛想の良いフリをしながら教官(笑)とたわいもない会話をしつつこの施設の情報を聞き出す。
この組織の実態迄は聞き出せなかったが、それでもかなりの情報を得られた。
(まぁ、新人に漏れ聞かせてもいい範疇の情報である事は明白だろうが……)
此処は定期的に男性を攫ってきて兵士に育て上げる施設で、年齢は俺たちの様に成人から小学校に入学もしていない様な子供まで、その時々だそうだ。
どれ位の人数がこの施設に居るのかと聞けば、生徒は今日来た数を合わせて162人、教官は50人居るとの事。
正直、背筋が寒くなった。
162人もの男性を誰にも気付かれずに誘拐し、森の奥で幽閉している。
普通に考えれば、出来得ない事だった。
それを可能にしてしまっている何かに、この組織の闇を見た気がした。
「着いたぞ。此処が今日からお前が過ごす部屋だ。よかったな、エルガー。お前の同室者は面倒見の良い男前だ。おい、カーター。出てこい。お前の新しいルームメイトだ。」
「煩いぞ。カルヴァート。今、何時だと思っているんだ? 」
「夜の11時過ぎだ。丁度到着したお前の新しい同室者だ。色々教えてやれ。」
教官に呼ばれて出てきたのは、確実に自分より背の高い白人男性だった。
ロメオもそこまで背が低いわけではない。
185は超えているから、目の前に立っているこの男は相当大きい。
がっしりとした体躯と、シャツを着ていても分かるしなやかな筋肉に長い手足。
顔立ちは掘り深く整っており、髪は烏の濡羽色で艶やかだ。
髪の色からして、何処かで血が混ざっているのかもしれないが、肌は雪の様に白かった。
(物凄い美形だ……。でもこの声、何処かで……)
青い瞳に真っ向から見られ、足が竦む。
こんな山奥に囚われて居ながら、彼からは気高さと威圧を感じた。
向かい合っているだけで地に伏したくなる様な感覚。
五感がピリつく。
ロメオは顔を顰めた。
何より、彼自身がその手の気の様なものを纏っているからか、無性に相手のそれが気になった。
(こいつとは仲良く出来そうにないな……。)
「おい、新入り。いつまで其処に突っ立っているつもりだ。早く部屋へ入れ。」
そう、目の前の男に言われて初めて教官が既に此処を去り、自分が何もせずに立ち尽くして居た事に気が付いた。
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