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「おい、ロメオ、ロメオ!」
「んー、後30分で起きる……。」
「馬鹿な事を言っているんじゃない。俺はお前のママじゃないぞ。早く起きねぇと朝飯抜きだ。ほら、起きろ!」
「うわあああああ」
「ったく、よくも、こんな訳の分からない場所に連れてこられた初日からぐっすりと眠れるものだ。」
顔にパシャりと水をかけられ、慌てて飛び起きる。
「お前は神経をどっかの土地の土の中にでも埋めてきたのか?」
目の前に在るギルの顔は昨日同様、冷たい表情を浮かべていた。
「何すんだ!」
「五月蝿い。朝から元気なのは結構だが、早く身支度整えろ。食堂に連れて言ってやる。」
キッと睨みつけてみるが全く効果なし。
それどころか早くしないなら置いて行くと言われてしまった。
不貞腐れながらも慌てて身形を整え、ギルに着いて行く。
「ようギル。」
「ああ。おはよう」
「おはようギル。」
「おはよう。」
廊下に出ると夜が明けきっていないにも関わらず、既に沢山の訓練生が居た。
そして、すれ違う度に皆ギルに挨拶をする。
中には尊敬や、男同士にも関わらず恋慕の眼差しを向ける者までいる。
此処でのギルの人望が伺えた。
(へぇ?外面は良いってか。)
「なあ、ギル。此処ではどんな訓練をする?
どれ位キツい?」
「…………まぁ、体力が必要な競技のアスリートが悲鳴をあげるくらいにはキツい。
お前も明日からだ。心の準備をして置いた方が良い。」
「ああ。そうするよ。」
(よく知らない奴だがこの男が言うのなら、皮肉じゃなきゃホントにきついんだろう。)
ロメオはそう考えたが、それはあくまで彼以外の人間に関するところであって彼には適用されない。
特に心配する事もせずに目の前を歩く憎たらしいほどに背の高い男を追った。
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