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「………うまい。」
「お前はどれだけ劣悪な食生活をしてきたんだ?これが美味いと感じるなんて、相当舌が逝かれているぞ?」
食堂で食べた朝食は味は薄かったものの、食えない代物ではなかった。
もっと酷い味のものを想像して居ただけにある種の感動すら覚えた。
それに、栄養はきちんと取れるメニューになっている。
逆に濃過ぎる味付けに慣れた奴等の食生活の方が劣悪だと一人で納得して頷く。
極端に味が薄いのも、元々薄味が好きなロメオにとっては健康志向の食べ物と思えばなんて事はなかった。
「食えるだけ良いし、健康志向だと思えば美味い。」
そう呟けば、ギルは大きなため息をついた。
「ロメオ、お前……。」
(味に頓着しなさすぎやしないか?)
ギルは言いかけた言葉をグイッと飲み込んだ。
目の前のロメオはマジで何が言いたいのか分からねぇという顔をしている。
こういう顔をしている時この手のタイプにこちらの意見を受け入れて貰える可能性はゼロだ。
「なんだ?」
「いや、何でもない。俺は訓練に行ってくる。お前は俺が戻ってくるまでくれぐれも外に出るなよ?良いな?」
「何故?」
ギルは食事を終えて立ち上がろうとしていたが、それを聞いてまたもやため息を吐いた。
(そして力が抜けたようにドカりと椅子に戻った)
「周りを見てみろ。ここには男しか居ない。小綺麗な顔をしている若い野郎は最初に狙われるんだ。」
今度はロメオがため息を吐く番だった。
「……ここはアメリカのムショの中か何かなのか?190を超えてない180センチ代の小柄な俺はお嬢ちゃん扱いってか、ありがたくって涙が出るぜ。エスコートはちゃんとしてくれるんだろうな?」
「いいや、だが、環境はさして変わらない。それに、訓練が無いだけムショの中の方が快適かもしれないぞ。」
皮肉には取り合わず、一言言い残したギルは今度こそ席を立った。
朝食のトレイを回収口へ出して食堂を出て行く。
ロメオは急いで自分の残りを掻き込み、ギルの後を追った。
(あの野郎、カルガモの雛みたいに自分と一緒に行動しろって言っといて置いてくのかよ……。)
ギルが居なくなってから暫くは、相当鈍っているであろう身体を気休め程度に動かした。
筋トレをして、体幹トレーニングをして、ストレッチをして……。
しかし、いかんせん、余っている時間が長過ぎる。
かと言って他に有り余る時間を埋めてくれるものは無い。
「出るなって言われると出たくなるんだよなぁ。」
正直、男に無理矢理犯されるなんてまっぴらごめんだったが素直に犯られるつもりはない。
ロメオは結局、好奇心に負けて扉を開いた。
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