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(外観が相当大きかった、中も相当広いだろう。)
キョロキョロしながら食堂の方へ続く廊下を歩く。
食堂迄の廊下にはロメオ達の部屋と同じくらいの木の扉が一定間隔で並んでいるだけの景色が続いた。
因みに、寮部屋一部屋辺り大体八畳程度で最大四人まで住む事ができる。
部屋の両端には二段ベッドが二組向かい合わせに置いてあり、少し窮屈に感じなくはないが悪くもない。
(ギルと二人でラッキーだったな。部屋も他より広く使えるし。何より必要以上につるまなくてすむ。)
ロメオは集団生活が大の苦手なのだ。
ルール(特に暗黙の了解的なやつだ)があればそれに則って行動を制限される。
それが苦痛でしょうがない。
一人で頷いて再び歩き出す。
食堂を通過してそのまま真っ直ぐに進むと突き当りが見えた。
しかし、曲がっても同じ風景が広がっている。
「ここは生活棟って事か。なら情報棟や訓練棟を探さないと有益な情報は得られねぇか……。」
舌で少し乾燥した唇を舐める。
俄然やる気が出てきた。
全く自分の無駄な好奇心にはほとほと呆れる。
育ての親にもよく自分を大切にしろと怒られた。
(別に死にてぇわけじゃねぇんだよな。)
しかし周りがそこまで命に執着する意味も分からない。
自分に何かが欠けている事はとっくに気づいている。
だが別に不便をしているわけでもないので改善しようとも思わない。
ただ、自分がやりたい様にやるだけだ。
昨晩来た時の道順を思い出して階段を見つけるとそこを駆け下りる。
特に注意喚起が無かったという事はリスク(男にファックされる)を承知すれば敷地内で自由にしていて良いと言うことだろう。
階段が終わり外に出ると昨晩は暗かったせいで分からなかったが、随分設備は充実している事が分かった。
「へぇ、バスケットコートもあんのか…。」
本当に、何のための施設なんだかさっぱりだ。
しかし、誰にも出くわさない。
異様な程に静かだ。
昨日連れて来られた者以外は全員訓練なのかと考えたが、その疑問は前方から聞こえてきた声によって否定された。
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