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「おい、ロメオ。起きろ。ロメオ。」
骨張った大きな手が頬を撫でてくる。
低い、優しい声が聞こえる。
「起きないとこのまま襲っちまうぞ?」
ゆっくりとまだ重い瞼を持ち上げると、ギルが穏やかな笑みを浮かべて頬に手を添えていた。
どうやら随分長いこと眠っていた様だ。
日は既に西に傾き山肌をなぞって沈もうとしている。
「此処は俺たちの部屋か?ユキハとレオは?」
「お前、俺の言いつけ破って外に出やがったな、全く。ユキハの足が痺れたと言ってレオが俺の所に来たんだ。お陰で俺は訓練終わりのシャワーを浴びてすぐお前を抱える羽目になった。」
「流石、鍛えてると違うんだな。あんたよりは軽いだろうが俺も男だぜ?重かっただろ?」
ギルはそれには答えなかった。
その代わり、俺の頭を一撫でして立ち上がる。
「夕飯はこれからだ。しっかり食っておけ。
明日からはお前も訓練がある。しっかり腹に入れておかないと、直ぐにガス欠でダウンするぞ。」
「ああ。」
まだ眠くて眼を擦っていると、ギルが隣に腰掛けてくる。
その表情は既にいつもの冷たいモノに変わっていた。
(へぇ、見事なまでのスイッチの切り替えだな。)
ギルを見ているとどうしても育ての親を思い出す。
そうぼんやり思った時、ハッと気づいた。
(あぁ、ギルの声は煌夜の声に似ているんだ……。)
よく見れば、顔立ちも何処と無く似ている気がする。
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