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自己紹介
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「…で、俺がリーダーの皆川葵だ。好きに呼んでくれ。」
「あおちゃんってばツンツンしちゃってぇ〜今日ずぅーっとソワソワしてたの、英ちゃん知ってるよぉ?」
「ちょっと英一さん!」
つっつきあって騒ぐ皆川葵と鈴鹿英一。
「菊田さん、紅茶と珈琲とオレンジジュース、どれがお好みですか。」
「え、えっと…じゃあ、珈琲で…」
「ミルクと砂糖はお付けしますか。」
「お、お願い…します…?」
飲食店従事者かと疑うばかりに淡々と飲み物を提供しようとする柳澤玲央。
「もう、皆ちょっと落ち着いて。菊田くんが困ってるじゃないか。」
困り顔で俺に気を使ってくれる穂波優成…なんだここ。Blue Roseのファンが紛れ込んだら死ぬんじゃないか?ちなみに俺はもう召されかけてる。
「ごめんな、いつもこんな感じなんだ…騒がしいだろ。」
「や、そ、そんな!俺、ずっと体育会系で、賑やかな方が…なんて言うか…安心、するんで!」
しどろもどろになりながらもそう言うと、良かった、と呟いた穂波さんの表情はふわりと和らぎ、優しげな目元が際立つ。これ以上ないと思っていた心臓のバクバクが、更に高まっていく。
「菊田さん、お待たせ致しました。」
「えっ、あ、ありがとうございます!すいません、わざわざ…」
「構いません。私が好きでしていることですから。それと、私は貴方より一つ年下です。敬語は使われなくて結構ですし、お好きなようにお呼びください。」
「あ、ありがとう…?」
あまりに表情や口調に感情が乗っていないから怒っているのかとも思ったが、どうやら彼なりに歓迎してくれているらしい。
スッ、と前に置かれた紙コップに口をつけると、珈琲の味の違いなんてろくに分からない俺にも美味しい…というか、お高そうな味がするのが分かった。高級な豆を使っているのか、彼の腕のなせる技なのかは不明だ。
「美味いだろ、怜央の珈琲。」
「えっ!?あっハイ!とても!」
さっきまで鈴鹿さんと言い合って(というか一方的にからかわれて)いた皆川さんがいつの間にか真っ直ぐ俺の方を見ていた。慌てて姿勢を正すと、少しムッとしたように大きな目が細められる。
「…そんなビビらなくても別に取って食ったりしないぞ。俺達はこれから仲間なんだから、同い年俺にも敬語はなし!だ!」
「はっはい!」
「違う!」
「う、うん…?」
満足気に頷き、どかっと真向かいの椅子に腰掛けるトップアイドルの姿に面食らうも、すぐに横から勢いよく鈴鹿さんがすっ飛んできて脇腹に刺さってそれどころじゃなくなった。
「こーちゃんも皆のこと、名前で呼んだげてねっ!ツンツンしてるのがあおちゃん、おっきー眼鏡クンがれおちゃん、優しそーなのがゆー、そんでもって〜1番かわいーのが英ちゃん♡」
こーちゃんと言うのはもう確定のあだ名なんだろうか。
「英一さん以外はそのまま名前で呼び合ってるから、好きなように呼べ。」
「わ、分かった。」
一生近付くことなんてないと思っていたトップアイドル達は、存外親しみやすく和気あいあいとしていた。いや、こういう所も人気の秘訣なのか。
「これからよろしく。」
「仲良くしよーねっ!」
「何かあったら、いつでも頼ってくれ。」
「よろしくお願い致します。」
「よ、よろしくお願いします…!」
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