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オトコマエ【2】
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「別にいいじゃねーか、プール。」
「嫌なの!あー、もう。めんどくさい。」
言い争いをしながら二人がやって来たのは屋上。
ドアを開けて、なおも言い争う二人に気付いた周はどうしたのさ、と笑った。
「明日の体育、プールなんですよ」
「へえー、ひなた参加するの?」
「参加せざるを得なくなった…筧のせいで…」
せんぱぁい、と周に抱きつきながら泣くひなたに、周は笑った。
ひなたはとにかく、人前で露出することを嫌う。謎の早着替えを習得する程度には。
腕や太ももなど、ファッションによる露出は別の話だが…
だから自らプールや海に行こうとはしない。
「なんでそんなに嫌うんだよ、プール。」
「…今更それを聞くか、筧…」
女装男子、と言っても水着まで女性用を着るわけには行かない。
…体は立派な男子高校生のものだから、といえば事情は伝わるだろう。
ならば男子なのだから、と、男性用の水着を着せてみれば…
「………化粧ばっちり女顔に男の水着姿……」
「見るほうも嫌でしょ?」
「…うん。」
「なんか、ごめん。」
「本当だよ畜生。」
はぁ、とため息をつきながら弁当箱のなかの卵焼きに箸を刺す。
そしてくるりとひなたは周の方を見た。
「と言うわけで、今日は先輩のお部屋に行ってもいいですか?」
「うん、おいで。今日はバイトも無いし…」
「…意味つながんなくね?」
「それがつながるのだよ。」
もぐもぐと卵焼きを咀嚼しながらひなたはまたため息を吐いた。
筧は答えを求めるように周を見たが…周は「明日になれば分かるよ」と微笑むだけであった。
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