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オトコマエ【3】
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そして翌日。
「おはよ、筧。」
「………は、お前、兎田?」
「え、そうですけど?」
髪は短く、その顔は化粧で彩られていない。
そして存在するはずの無い女子の制服ではなく…クラスメイトとお揃いの制服を着こなしている。
でもその声は確かに、兎田ひなたのもの。
「え、ちょ…お前、プールのために髪切ったのか?」
「んなわけ無いじゃん!普段がエクステ。これが地毛なの!」
「…マジで?」
筧の言葉にクラスメイトも心の中で同調する。
一年のころ体育は選択科目で、ひなたは体育を選んでいなかったためにプールと言う行事が初めて。
今までは必要が無かったため本人曰く『男装』はしなかった。だから筧も知らなかったのだ。
無数に着いたエクステを外すには他の人の手がどうしても必要になる。ひなたの事情を知っていて手を貸せるのは恋人である周くらいなもので…
エクステを外す必要があるときは、いつもひなたは周の部屋に向かうのであった。
そしてすっかり男子生徒と化したひなた。
筧は改めてひなたの顔をじっと見た。
「…なんつーか、すっぴんでも十分キレーな顔してんじゃん。」
「でもどっからどう見ても男っしょ?」
「…まぁ、な?」
それなら良いじゃないか、と口にしたら機嫌を損ねそうなので取り敢えず曖昧ながら肯定する。
ひなたはそんな筧の態度は余り気にならないようで、昨日と合わせると何度目になるか分からないため息を吐いた。
「つーか朝から体育とかさ…元気すぎー、うちの学校。」
「お前体育全般得意じゃんか。」
「まぁ。身体動かすこと自体は嫌いじゃないし…」
でもさぁ、とぶつくさ文句を言いながら座るひなた。
ひなたが着席すると同時くらいに、東が出席簿片手に教室に入ってきた。
そしてひなたの姿を見るやいなや…
「誰だ。」
「生徒に向かってそれはないと思いまーす。」
新しいおもちゃを見つけた子供が早速遊び始めるように、ひなたをいじり始めた。
「お前…もしかして、その姿なら普通にプールも入れんのか?」
「そうですよ。悪いですか。」
「マジで!単純!」
「うるさいな!先生だって美女の体が男とか嫌でしょ!?」
「美女!自分で!」
「……っだぁー!もう、何なのあんた!」
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