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ダブルデート【5】
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「へぇー…その人が、先輩だったんだ…」
「そ!もうカッコイイ癖に笑うとなんか可愛くって…入学したら、絶対この人と付き合いたいって思ったの!」
話しながら食べていたパフェはすでに残り一口分。
それをスプーンに載せながら、ひなたは笑う。
「俺もひなたのこと、最初から可愛いなぁって思ってたよ。あと変な子だなぁって。」
「変って!それはうれしくなーい!」
「ふふ、ごめんごめん。」
机に頬杖をついた周が、ひなたの頬についたクリームを指先でふき取ると、それを自らの口に含んだ。
無自覚のイケメンの行為に、ひなたの隣に座った朝比奈までもがめまいを感じる。
「恐るべし王子様オーラ…っ」
「ほんと、破壊力抜群なんだから…!」
「?」
のんきに「甘い」と感想を述べる周。
「偉大っすわ…」と隣の筧も苦笑い。
「に、しても。よくこいつを男だって見抜きましたね。」
「んー…まぁ、人を見る目は肥えてる方だとは思うけど…。筧くんはわかんなかった?」
「はい。俺らの代から共学なんだっけかー?とか思ってました。」
「でも、そっから仲良くなんの早かったよねー、ぼくたち。」
アイスティーをすすりつつ、ひなたは笑う。
筧は「まぁ」と頷いた。
「俺としては男子だって分かればカッコなんて関係なかったんで…」
「悪い意味での特別扱いしないって言うか。ウマが合ったよね。」
「だな。」
「そっか。」
改めて友情の確認、みたいなことになり、ひなたと筧はなんとなく照れくさくなる。
周は頬杖をついたまま、にこにこと2人を見つめる。
「いいなぁ、男の友情!」
「!!朝比奈ちゃんも仲良しだよーっ!」
「きゃー!ありがとー、ひなたちゃんっ」
ひなたと朝比奈がきゃっきゃと抱き締めあっていると、テーブルの上のひなたの携帯が鳴った。
それに気付いた周が何気なくそちらを見て…ぎょっとする。
「ひなた、電話。」
「え?」
「着信みたいだよ。…ランプが、青い。」
「…っ!ごめん、ちょっと出てくる!」
青、と告げられひなたはあわてて携帯を確認し…そのまま、入り口の方へとパタパタとかけていった。
その様子を、筧と朝比奈がぽかん、と見送る。
周は…口元に手を当て、何か考え込むような仕草。
「…滝沢先輩…?」
「ん?…あぁ、いや…」
普段、携帯はマナーモードにしていることが多いひなた。そのため、着信は点滅するランプの色により種類を分けている。
青はひなたの家…つまりは兎田家絡みの連絡時の色だ。
何てことのない連絡のときは、大抵メールで済ませられる。
電話、と言うことはそれなりに重大な連絡なのかもしれない。
何の電話でしょうかね、と言う筧の声に、周は「さぁ」と答えながら小声で会話するひなたを見つめていた。
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