アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
シアワセ【2】
-
愛衣…朴木愛衣(ほおのき めい)は、先ほど筧とひなたの会話に出てきた、ひなた曰く「世間お墨付きのお嬢様」である。
そして…厄介。
「…って、ゆうは別に焦る必要ないでしょうが。」
「でも、ひなが!」
「そんな兎田の貞操の危機みたいな…」
「お、筧、割といいとこつくねー。」
「……は?」
ひなたが苦笑しながら拍手すると…遠くからひなたの名前を呼ぶ女の声が聞こえてきた。
いつもは可愛らしく女装するひなた。…男装姿だとそれも崩れるらしく、思い切り眉間に皺をよせて舌打ちした。
「ゆう、任せていいかな?ぼくは…面倒が起きる前に、逃げる。」
「いいけど…でも、家に帰ったら捕まっちゃうよ、多分…」
「学校で変な噂立てられたくない…まぁ、あんなに名前呼ばれちゃもう手遅れかもだけど。学校で既成事実作られる前に…筧どうする?」
「んー、じゃあ俺も一緒に逃げる。」
「じゃ、行こうか。」
そう言うと2人はつかつかと窓際へと歩みを進めた。
そしてひなたがガラリと窓を開ける。
……教室は、2階に位置するが…ひなたは下に誰もいないことを確認すると、ためらい無く飛び降りた。
筧も何も疑問を持たずにそれに続く。
「…相変わらずなハイパー運動神経……」
運動能力、学習能力ともに平均的な夕陽は、呆れたように2人が出て行った窓を閉めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 34