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シアワセ【3】
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「つかぬ事をお聞きしますが…」
「うん?」
ひなたにとってはいつもの空き教室。
いつも一緒にいる周はもちろん授業で今は不在。
教室からひなたと共に逃げてきた筧は、疑問をようやく口にした。
「厄介って…あと貞操の危機って。その子の性格だけの問題じゃないよな?」
「うん、まぁ。」
「どーゆうことなん?」
窓際の机に座りながら辺りをうかがっていたひなたが顔をあげ、そして筧を見た。
そして頭をがしがしと引っかきながらため息をついた。
「あの子はね、ぼくの婚約者なんだよね。」
「…はぁあ!?婚約者!?」
「そんなに驚くなよ。一応イイトコのおぼっちゃまなんだって。」
「あぁ…そうか。フツーの男子高校生じゃないんだったな…って言うか、お前の場合二重でびっくりなんだけどな。」
彼あり女装男子に女の子の婚約者。
……なんだかよく分からない三角関係が出来上がるなぁ、と筧は周を少し哀れんだ。
そしてひなた曰く。
性格としては漫画に出てきそうなお嬢様をそのまま出してきた感じ。
そして朴木家唯一の嫡子で、その両親がどうしても兎田家との結婚を望んでいるらしい。
「パパは甘いところがあって…押されちゃったみたいでさぁ。パパ同士も幼馴染みだしねぇ…」
「なるほど。金持ちも大変だな…」
ほい、と鞄を持ち合わせていたひなたが出したチョコレートを2人で食べ始める。
事態が収拾したら連絡ちょうだい、と夕陽にメールしつつ、おそらくは愛衣がいるであろう教室の方を見た。
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