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スーパーヒロイン【1】
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さて、入学式を終え、この学校で新入生歓迎として行われるレクリエーションが球技大会である。
生徒たちはクラス対抗でバレー、サッカー、バスケ…変わったものだとドッジボールを選択して出場する。
その出場種目については球技大会の二週間に挙手で決める。
「はいはい!ぼく全部出たいでーす!」
「俺もー」
「…そうして欲しいところだが、却下だ。」
「「えー」」
ハイパー運動神経の持ち主2人…ひなたと筧は元気良く挙手したが、東によりあっけなく却下された。
2人が揃えば全種目優勝も目じゃないため、意外と熱くなるタイプの東としては歓迎したいところなのだが…
学園長直々に釘を刺された。
「だが、1人二つまでならエントリー出来ることにはなっている。どうする?」
「分散するか、被せていくか…だねぇ。」
「分散にしよーぜ。幸いにして、うちのクラスにはサッカー部もバレー部もバスケ部もいるし…」
いつの間にか2人中心に進んでいたチーム分けの協議…筧の一言でスポットが他にも当たる。
そうだねぇ、とひなたは満足気に笑う。
「じゃあぼくはバレーとドッジにしよっかな。サッカーは…筧の方が上手いし、バスケだと先輩と多分当たるし。」
「よし、じゃあ決まりな。」
「他の人たちもチャチャっと決めるよー」
そこからはひなたの采配により、クラスメイトの得意不得意を聞き出し、適正とやりたい競技とを照らし合わせて決めて行く。
こういうとき嫡男の手腕は便利だなぁ、と東は欠伸しながら様子を見ていた。
「さて、取り敢えず決まりだな。」
筧がひなたの肩を叩く。
そうだね、とひなたも満足気に頷いた。
「で、ここから俺の出番だな。」
「?東せんせ、まだ何かあんの?」
ひなたの席に座っていた東が立ち上がる。
そして教卓に両手をつくと顔を上げ…ニタリと笑う。
「お前ら…今年熱くなるのはこいつらだけじゃねーぜ。」
こいつら、とひなたと筧を指差す東。
そしてポカン、とするひなたに一枚のプリントを手渡した。
ひなたは受け取ると読み始める。
「えっと…総合優勝クラスには…学内カフェテリアの1万円分商品券を一人ずつに贈呈、さらに学園祭時希望の出し物を優先する…?」
「マジでー!!?」
「いよっしゃああ!」
…ものすごい勢いで喜び始めるクラスメイトたち。
ひなたは「何これしょぼい」と言う言葉を飲み込んだ。
「普通の高校生にとっては一万はでかいんだよ、兎田。」
「…なるほど。てか、この学園祭の優先どーこーは?」
「飲食とかお化け屋敷とかのアトラクションものは人気だろ?偏らないように数絞って抽選なんだよ。」
「なるほど…」
東の説明にようやく頷くひなた。
…どうやら撒き餌は済んだらしいな、とクラスを見渡す。
「取り敢えず、総合優勝目指すよ!今日から特訓開始!」
「「「おー!!」」」
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