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スーパーヒーロー【3】
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「では2-A対1-Cのドッジボール決勝戦を始めます!」
「「しゃーっす!」」
「では代表者、前へ!」
ドッジボール、決勝戦。
ドッジボールといえばやはりジャンプボールから始まる。
1年は当然のように一番タッパのある生徒が代表に立つ。
…対する2年は…
「…え…兎田先輩!?」
「よろしくね。…ええと、おおた、くん?」
相手のジャージの胸に刺繍された名前を読み上げ、それから見上げて笑顔を浮かべるひなた。
太田、と呼ばれた一年は…相手は間違いなく男と分かっていながらもどきりと心音を高めた。
「あ、太田ずるい!俺も先輩に見つめられたいー!」
「うるさいよ穂村。」
「っっ!名前、呼んでくれたっ!」
「ああああマジでうざいマゾ…!!」
ひなたが背中側にいる穂村の相手をしながらも、審判がボールを放ち試合が始まる。
…するとひなたはそれを瞬時に視線で追い、地を蹴った。
「試合開始!」
ボールが最高到達点に達した瞬間…
ひなたの掌が、ボールをはじく。
「!!そんな飛ぶかぁ!?」
「飛ぶんだよねぇ、太田君。ひなたちゃんは!」
自ら陣地内に引き込んだボールを掴みながら、ひなたは笑う。
そして…「大田君」の真横をボールがすり抜け、1人の生徒の腕を掠めて外野に出て行った。
全員がひなた1人の連続神業に固まる。
…クラスメイトは「まだ実力の半分も出していない」と豪語していたひなたの言葉をようやく理解した。
「審判、コールコール。」
審判の後ろ側に立っていた筧がボソッと呟いた。
審判はその言葉に我に返り、「アウト!」とどもりながら叫ぶ。
…さぁ、楽しい試合の始まり始まり。
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