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オトコノコ【1】
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「おー、はよー、兎田。」
「おはー、筧。」
名残惜しみながら周と別れ、ひなたが教室に向かうと話しかけて来たのは気心の知れた友人、筧 祐介(かけい ゆうすけ)だった。
その容姿や家柄からクラスメイトたちも萎縮する中、筧だけはひなたのことを友人として扱う。高校に入学し、一年で同じクラスになり、二年になっても…どうやら、同じクラスのようだ。
「また筧同じクラスかー。よろしくー」
「おー、よろしく。前の席、空いてる。」
「自由なの?」
「らしいよ」
筧が教室の前方を指差す。
そこにある黒板にはデカデカと「席自由」と殴り書きされていた。
「あらら、この分だと担任も変わらないっぽいね。」
「東先生以外、お前を抑えられる奴いねーだろ。」
「えー、それってぼく問題児みたいじゃんか。」
「自覚ないのか、お前。」
「…おおおう、東せんせー、びっくりした…」
もうすぐSHRが始まると言うのにいつまでも話し込む2人に、注意するのは一年からの担任、東(あずま)。
他のクラスメイトたちと言えば…相変わらずひなたに萎縮して注意なんて出来ずにいた。
「つか、お前ら2人だからな、筧。」
「え、俺超いい子ッスけど。」
「いい子はこいつに悪ノリせずに注意すんだよ。ほら兎田、さっさと席つけ。」
「はーい」
ひなたに関しては、特にいわゆる不良と言うやつではない。
ただ自由奔放過ぎて、その奔放が行き過ぎても家柄のことを考えると教師たちは注意できないのだ。
だが、東はそんなことはまったく気にせずひなたに口出しする。ひなた自身が家柄を後ろ盾することを嫌う性格だと言うことを十分理解しているからこそ、だ。
ホームルームが終了すると、各々ジャージに着替え始める。
今日は身体測定が終わり次第、学校は終了だ。
…その、着替え。
当然クラスメイトの好奇心は男の娘であるひなたに向く。もちろん、ひなたもそれは熟知していて…
「さて、行きますか…身体測定。」
「テンションひくっ!おま、ホント嫌いだよな、身体測定。」
「…成長したくないもの…」
すでに、着替えは完了していた。
何故か一緒にいる筧までも、だ。
「出たよ…早着替え…」
「え?」
2人の背中をクラスメイトが見守る中、その中の1人がぽつりとつぶやく。
彼は一年からの2人のクラスメイトである。
「着替えが必要なとき、いつの間にかあいつら着替えてるんだよ…」
「何だそれ…」
「まぁ、好奇心としては見たい気がするけど、夢崩れるの嫌だよな…」
(見た目)美少女が男物の下着…
それを考え、クラスメイトたちは静かに頷いた。
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