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タラシとヘタレ【3】
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「んね?」
「んだよただの惚気じゃねーか。」
「いや、半分はそうだけどタラシって話も…」
「結局惚気じゃねーか。」
幸せそうに「自分の彼氏はタラシだった」と語る親友に、筧はため息を吐いた。
黒板には大きく「自習」の文字。
本来なら今日から通常授業の予定だったが…手違いで教科書が間に合わず、1時間目の数学はなくなった。
担当教師は自習用のプリントを配布するとさっさといなくなる。
そして意外と賢いひなたはすでにそのプリントを終わらせ、筧の分も解説して終わらせると…その話にいたったのだ。
「つか、今の俺に惚気てくれるなよ…」
「何で?筧リア充じゃん。……って、あ、そっか。今朝比奈ちゃんと喧嘩中だったもんね。」
「…なんでお前知ってんだよ。」
「あは、朝比奈ちゃんとぼく仲良しだもんね。」
朝比奈 真希(アサヒナ マキ)は筧の中学のころから付き合いの続く彼女で、そしてひなたとも仲が良い。
今では筧がいなくても2人で会って、話し込むほどに。
…それに嫉妬だったり浮気の疑いだったり、そんな類のことがないのはやはりひなたの容姿もあり、何よりひなた自身を信頼しているからだ。…それに、こうやって甘ったるい惚気話を聞かされれば他に気がないことくらいは嫌と言うほど思い知らされる。
今回も朝比奈からひなたへと直接話が伝わっていたのだろう。
「…まぁ、ぼくとしては筧の気持ちも分かるよー、男としてのプライド、とかね。」
「兎田…」
「でも、朝比奈ちゃんの気持ちも少し汲んであげなよ。女の子はデリケートなんだから。」
「お前に言われると妙な説得力が。」
大概、感覚も麻痺してくる。
そんな苦笑にそ?と笑い返しながらひなたは頬杖をついた。
そして懐から携帯を取り出す。
「ではそんな説得力を持つぼくが助言してしんぜよう。」
「ありがたきお言葉。…って、何する気だよ。」
実は週末にダブルデートの約束をしていた、二組。
一方はラブラブ、一方はギクシャク…それだけは避けたい、と朝比奈はひなたに相談したのであった。
「祐介くんもちゃんと反省してるようですよーって。ちゃんと仲直りしなよね。」
「…へいへい…」
「もー、先輩はタラシで筧はへたれで…ぼくが一番男前じゃね?」
「女装やめてから言え。」
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