アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
心の距離 04
-
「先輩、言って。」
「……」
何度も連呼される言葉。
最初は「いや。」だの、「言いたくない。」だの言っていたけど、だんだんめんどうになった俺は、何も言わなくなった。
「先輩。」
「……」
「お願いだから、言ってください。」
「……」
それでも、篠原は何度も何度も声をかけ続ける。
「先輩。」
「……」
「ねー、先輩。」
「……」
「…はぁ。」
次第には大きなため息が出た。
そりゃあ、ここまで無視されると、ため息も出るよな…
嫌われた…かな??
でも、どうせ嫌われてる。
篠原を信じてあげられなかった。
だから、嫌われて当然だ。
逆に、今俺と一緒にいることとか、助けに来てくれたことが、ホント奇跡のように思えてくる。
「先輩。」
「……」
「言え。」
「っ!!」
初めて篠原の口から聞く命令口調。
いつもは質問口調だったり、敬語だったり…時々敬語がとれるけど、優しい口調なのに…
俺は、篠原の言葉に肩がビクンッと震えた。
「はぁ…」
再び篠原から出るため息。
相当呆れているのだろうか…
「この手はあんまり使いたくなかったんですけど…。仕方ないですね。」
ベッドから落ちて、床に座っていた篠原は立ち上がって再びベッドの上にのる。
俺は、篠原から距離をとるようにゆっくり後ずさるが、篠原から腕を掴まれたため、身動きがとれない。
「逃げないで、先輩。」
「っ!!」
グイッと腕を引っ張られて、耳元で囁かれる。
そして、そのままベッドの上に押し倒された。
「しの、はら…??」
「先輩、次は抵抗しないでくださいね。」
「え??……ちょっ、篠原!?」
再び篠原は俺のものをくわえる。
「それ、いやだ、…やめろっ!!」
「んっ…」
「篠原、やめろって!!」
「んぅ…」
篠原の頭を掴んで、引き離そうとするが、ビクともしない。
怖い…
そんな思いが脳裏を横切る。
次第に、大量の涙が溢れ、体が震えだす。
俺の変化に気づいた篠原は、俺のものから口を離した。
「先輩…ちゃんと言ってください。」
優しい声。
もう一度俺に問いただす。
それでも、俺は首を横に振る。
すると、上からずっしりと体重がかかる。
そして、篠原の腕が背中と頭の後ろに回った。
「ちょっ、篠原!?」
「いいでしょ、抱きしめるくらい。」
「っ…」
俺は何も言えなくなって、篠原の胸に顔を埋めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 147