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心の距離 08
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「先輩、大丈夫??」
「だい…じょ…ぶ。」
篠原の唇が俺の額に触れる。
小さなリップ音が静かな部屋に響く。
「先輩、入れるよ。」
「い、いちいち言うなっ!!」
「先輩、顔真っ赤。」と篠原は笑った。
篠原の余裕たっぷりの笑顔。
なんで、こいつはこんなにも…
「でも…」
篠原の手が優しく俺の頬に触れた。
そして、さっきとは違う声色で篠原が話し始める。
「怖かったら、突き飛ばしていいからね。」
「…っ!!」
「さっきみたいに、突き飛ばしていいから。」
「なんで……だよ。」
「え??」
「なんでおまえ、そんな余裕あんだよ…。」
後輩のくせに…
年下のくせに…
俺は、こんなにドキドキして、恥ずかしくて…
いっぱいいっぱいで…
頭ぐちゃぐちゃで…
余裕なんてないのに…
「バカ…。余裕なんてないから…。だから、言ってるんですよ。」
篠原の頬がほんのり赤い。
その頬に触れる。
「先輩??」
「突き飛ばさない…。」
「え??」
「次は、絶対突き飛ばさない。だって、篠原はこんな俺を受け入れてくれた。だから、俺も篠原を受け入れたい。」
「先輩…。」
恥ずかしい。
まさか、俺がこんなこと言うなんて…
でも、今は自然と口が動く。
止まらない。
伝えたくて仕方ない。
「それに、その…は、初めて…だから。」
「初めて??」
「篠原が初めて…だから。」
「先輩…」
「け、啓介先輩に入れられそうになったけど、実際入ってないし!!だから、その…」
「はぁ…」
篠原は大きく息を吐きながら、手で顔を覆った。
「篠原…??」
篠原の顔が見えない。
今、どんな表情で何を考えているのかわからない。
「あの、」
「なんで…」
「え??」
「なんで、先輩ってそんなにかわいいの??」
いや、そんなこと言われても…
知らねーよ、そんなの。
「あー、離したくないな…。」
「え??」
「離れたくない。」
「篠原??」
「独り占めにしたい。」
「っ!!」
「独占したい。」
篠原から浴びせられる愛の言葉。
それは、純粋で素直でストレートな言葉で…
俺の心を動かしていく。
「先輩、好き。」
「し、しつこい…。」
「うん。わかってる。」
そう言った篠原は、優しく微笑んだ。
その笑顔を見て、俺も自然と頬が緩んだ。
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