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好き、嫌い、好き 01
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ピンポーン、ピンポーン
「……。」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ガチャッとドアが勢いよく開く。
「誰だよ、朝っぱらからうる、せー…夕貴??」
「孝太…。」
部屋の中からは、驚いた顔をしている孝太が顔を出した。
こんな朝っぱらから人の部屋に来るやつなんていないから、孝太が驚くのもわかる。
学校もあるしね…
「どうしたんだよ、急に。つーか、なんなの??そのダボダボな服は。」
「いや、えっと…」
「まぁ…とにかく上がれば??登校時間まで話聞いてやるから。」
「ありがと…。」
こんなとき、ホント孝太は頼りになる。
あれから、俺は走って篠原から逃げてきた。
そして、逃げてきた場所は孝太の部屋。
学校もあるし、迷惑かなとも思って、最初は、学校で話そうと思った。
でも、俺の足は自然と孝太のところに向かっていた。
「はい、コーヒー。」
「ありがとう。」
俺の目の前に湯気が立ったコーヒーの入ったマグカップが置かれる。
俺は、そのマグカップを手にして、ズズズッと音を立てながら、コーヒーを飲んだ。
「で、どうしたんだ??こんな朝っぱらから。」
「えっと…それが…」
「何??あ、もしかして昨日の夜、とうとう篠原とヤっちゃった…とか??」
「ぶーッ!!ゲホッ、ゲホッ!!」
孝太の言葉に、飲んでいたコーヒーを勢いよく吹き出す。
何てことを聞いてるんだよ、孝太は!!
「ちょっ、何やってんだよ!!きたねーな!!ほら、タオル!!」
「ご、ごめんっ。つーか、おまえが変なこと言うから!!」
孝太からタオルを投げられ、それで拭く。
「あれ、じゃあ、ヤってないの??」
「いや、それは…まぁ、流れ…で。」
「結局ヤってんじゃねーかよ。」
「そんなに何度も”ヤる”を連呼すんなっ!!」
気持ちを落ち着かせるために、またコーヒーを一口飲む。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「あのさ、孝太…。」
「ん??」
「俺さ、何か…昨日いろいろありすぎて、頭いっぱいいっぱいで…。わけわかんねーんだよ。」
「うん。」
「啓介先輩が今までの事件…タイヤパンク事件とか、テスト噴出事件とか…。今回のたばこの事件も啓介先輩の仕業で…。」
「うん。」
「啓介先輩にその…ヤられそうになって。」
「うん。」
「篠原に抱かれて…。好きって言われて…。啓介先輩のときは嫌だったのに、篠原のときは妙に安心して…。」
「うん。」
「それで今朝、すごい恥ずかしくなって、逃げ出して…。」
「うん。」
「俺、どうしたらいいんだろ…。」
「おまえはどうしたいんだ??」
「え??」
「啓介先輩のことと、篠原のこと。夕貴はどうしたいんだよ。」
「俺は…」
俺は、どうしたいんだろう…
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