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好き、嫌い、好き 04
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空き教室の前まで来て足を止める。
キーンコーンカーンコーン
学校中には、一限目を知らせるチャイムが鳴り響く。
その音にかき消されるくらい小さく息を吐いて、ドアに手をかけ、勢いよく扉を開いた。
空き教室の中を見ると、いつものように、机に座っている篠原の姿があった。
ドアが開く音に気づいた篠原がゆっくり振り返る。
「おはよーございます、先輩。」
「あ、あぁ…。おはよう。」
ニッコリ笑う篠原。
でも、今の俺にはものすごく不気味だ。
とにかく、今朝のこと謝らないと…
「あのさ、篠原…」
「なんですか??」
机から降りて、ゆっくり俺に近づく。
「今朝のこと…なんだけど。」
「あぁ…あのことですか。」
コツコツと足音が近づいてくる。
「うん。あの…今朝はごめん。」
どんどん近づいてくる篠原につられて、俺も後ずさる。
でも、後ろは壁で…
トンッ
「あっ…」
壁に背中がついてしまった。
逃げようと、横を向くと、すぐに篠原の両腕によって制された。
「ね、先輩。ちゃんと理由言ってよ。」
甘く囁かれて、鼓動が速くなる。
ドクンドクンと心臓の音がうるさい。
「いや、あの…」
「ん??」
顔が一気に近づく。
「か、顔近いって…」
「そうですか??俺は普通ですけど。」
余裕たっぷりの笑み。
やっぱこの笑みはいつ見てもムカつく。
「で、早く理由を教えてください。」
「えっと、その…。は、恥ずかしかった…から。」
「恥ずかしかった??」
「だから、ヤった後におまえと顔合わせるのが恥ずかしかったんだよ!!」
さっきよりも大きな声で言う。
「なんなんですか、それ…。」
「いや、だから、」
「はぁ…。もう…。」
なんなんだよ。
そんなに嫌だったのかよ。
「だから、ごめんってちゃんと、んっ!?」
篠原の唇が俺の唇に重なる。
不意打ちのキス。
抵抗しようと、胸を叩くが、篠原の手に掴まれて抵抗できない。
キスはどんどん深くなっていく。
「んんっ、は…ぁ…しの、は…んっ…ら…。」
深い口づけから、お互いの唇が離れる。
「なんで、先輩ってそんなにかわいいんですか…」
「ぇ??」
「せっかくお仕置きしようと思ってたのに、そんなかわいいこと言われると、やる気失せるじゃないですか。」
「なっ!?」
額と額がコツリと重なり合う。
視界が篠原でいっぱいだ。
「こういうふうに、かわいいことするの俺の前だけにしてくださいね。」
「っ!!」
また、篠原からの深いキスが降り注ぐ。
体が熱い。
頭がぼーっとする。
どうして、篠原のキスはこんなにも気持ちいいんだろう??
どうして、篠原といると、こんなにドキドキするんだろう??
胸が苦しい。
息がつまるくらい胸が痛い。
この痛みはいったい…なんなんだろう??
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